• 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/28_アニカ・マッコマーク
  • 2026.02.16

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Anika McCormack アニカ・マッコマーク
オーストラリア・ヌーサを拠点に活動するアーティスト。サーフィンと旅を通して出合う風景や色、人とのつながりを、どこか懐かしさを感じるレトロな感性で作品に落とし込んでいる。

あなたのことについて教えて

生まれはオーストラリアのメルボルン。5歳の頃に北にあるサンシャインコースト・ヌーサへ引っ越し、今ではここが私のホーム。昨年12月に仕事を辞め、現在はフルタイムでアーティストとして生計を立てることを目指し、日々模索している。
実は数日前に、メキシコへのサーフトリップから帰ってきたばかり。アートのインスピレーションも数えきれないほど受けた。旅はメキシコのサラディタ(La Saladita)から始まり、メキシコシティまで続いた。滞在中はスウェルが少なく小波が続いていたけど、私たちが帰国した途端に良い波が入り始めたと聞いて、また必ず戻りたいと思っている。
サーフィンを始めたのは2年前から。子どもの頃からヌーサに住んでいて、海はいつも身近な存在だったのに、なかなか始めるきっかけがなかった。今のパートナーと出会ったことをきっかけに、一気にのめり込んだ。それからはほぼ毎日サーフィンをするようになり、ヌーサ国立公園に入るのが日常になった。今はローカルシェイパー、Thomas Surfboardの9’4"に乗っていて、新しいボードももうすぐ届く予定。すごく楽しみにしている。
普段は朝4時に起きて、日の出前から海に。帰ってからはアート制作に取りかかり、波が良ければ夕方にもう一度サーフィンをしに行く。とてもシンプルだけど、この生活が本当に好きで、ずっと思い描いていたライフスタイルそのもの。
パートナーと出会ったのは高校生のとき。一緒にサーフィンを始めてから、同じ趣味を持つことで関係がぐっと深まったと感じている。今では話すことも、やることも、ほとんどがサーフィン。彼は撮影にもすごく力を入れていて、それが私のサーフィンの上達にもつながっている。お互いにサーフィンしているところを撮り合うのが最近の楽しみで、サーフィンを通して一緒に成長していけるのが素敵だなと思っている。

ホーム、ヌーサの魅力

ヌーサは、私にとってとても特別な場所。海沿いに広がる小さなサーフタウンで、どこを切り取っても絵になる街だと思う。オーストラリアの他の地域と比べても人々は穏やかで、訪れる人の多くがこの街を好きになる。
サーフシーンもすごく面白くて、私が暮らしているエリアはロングボードにぴったりの波が立つ場所。ヌーサ発祥のサーフボードやサーフアパレル、ブランドも多くて、スタイルのあるサーファーが集まっている。海の中では、優雅にクロスステップやハングファイブを決めるサーファーが多く、海に入るたびに「あんな風に乗れたらいいな」とインスパイアされてる。それが、自然と毎日海に向かいたくなる理由のひとつになっているかも。
プロのロングボードの大会や、ヌーサ・ロングボード・フェスティバルなど、1年を通して色々なイベントがあるのもこの街の魅力。毎年それを観るのが楽しみで、そのたびにロングボードカルチャーの奥深さを感じている。中でもお気に入りのサーファーは、バイロンベイ出身のJosie Prendergast。あのスタイルと、ボードの上での華麗な佇まいは、やっぱり彼女にしか出せないものだと思う。

アートを始めたきっかけ

幼い頃から、アートは常に身近な存在だった。サーフィンを始めてからは特に、サーフトリップで訪れる土地や、海から見える景色や色、人とのつながりが、自然と自分のアートに反映されるようになったと感じている。
最近はレトロなテイストに惹かれており、集中している時は1日で描き上げることもあれば、1週間近くかかることもある。アートはあくまでも“本当に好き”という気持ちの延長線上にあるもの。ビジネスにしたい、有名になりたいという願望はなく、自分にプレッシャーをかけない範囲で続けている。だからこそ長く続き、本当に描きたいものを描けていると思う。夢は、いつか自分の作品で個展を開くこと。

海、自然との関係

海に入っていると、いい意味で思考が停止する。次に来る波や、周囲や海の状況のことしか考えていないから、日常生活での悩みや不安から解放される。たとえ波が良くなくてもパドルアウトするだけで気分が良くなるし、サーフィンは、マインドにもボディにも良い影響しかないと思う。

これから何か新しいことに挑戦したい人へのアドバイス

私が伝えられるとしたら、何事にもポジティブでいること。考え方ひとつで違う方向へ進んでしまうこともある。前向きに、起こることすべてを受け入れる気持ちでいると、最終的には自分にとって必要な形に、きちんと収まっていくはずだから。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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