海が似合う“素敵なあの人”が偏愛する、モノやコトを紹介するこの企画。今回話を伺ったのは、海に恋し、沖縄に移住したKylaさん。憧れのビーチライフを手に入れた彼女の暮らしをご紹介。
Profile
Kyla
1999年生まれ、愛知県出身。フィリピン、スペイン、アメリカ、日本にルーツを持つ。モデルやアクセサリーのデザイナーとして活躍中。
「初めてサーフィンをしたとき、ここだったら自分らしくいられるって感じたんです。それからはゾッコンで、海のあるライフスタイルを送るって決めてました」
海が好きな理由をこう語るKylaさん。フィリピンで生まれた彼女は、8歳のときに家族で愛知県に移り住んだ。小さい頃から家族で海に遊びに行くことが多かった彼女は、自然や海が身近な環境にいた。
「地元に住んでいた頃、初めて友人と一緒にサーフィンに行ったんです。2019年だったかな。その年は悩んだり落ち込んだりすることが多くって、これまでの人生の中でもかなりどん底な時期で(笑)。それで、自分が大好きな自然や海に触れたかったので気分転換にサーフィンに挑戦することに。実際にやってみたら『海の中では自分らしさを取り戻せる!』という感覚になって、とっても救われたんです。そこから海とサーフィンが自分の一部になった気がします」
当時住んでいた家からサーフポイントまではクルマで約2時間。往復およそ5時間かけて通っていたのだそう。
「やっぱりそのくらいの距離になると一人で通うのは難しくって。もっとたくさんサーフィンしたい気持ちもあって、海がキレイな場所に移住したいな、と思うようになりました」
そして2022年、沖縄に移住することに。現在は今年生まれたばかりのベイビーと、夫、愛犬との4人暮らし。かねてからの夢だった海沿いでの暮らしを楽しんでいる。
「最初は海外に住みたいと思っていたのですが、コロナ禍でそれが叶わなくって。国内で海や自然がキレイな場所に引っ越そうと思って、沖縄を選びました」
沖縄に越してからは、海が生活の一部となった。毎日ビーチを散歩し、休日にはSUPやシュノーケリングを楽しんだり、波のいい日にはサーフィンに出かけたり……。
「日常的に海に行けることに幸せを感じています。実は、夫とも沖縄に来てから出会ったんです。2年前くらいにサーフィン中に! なので一緒にサーフィンをすることも楽しみのひとつ。女の子が生まれたばかりなのですが、家族でビーチに行くのが今から楽しみです」
今後は海外移住も視野に入れながら、“どこにいてもできること”に注力していきたいと話す。
「いまハマっているのはアクセサリー作り。自然や海から得たインスピレーションをもとに、ピアスやネックレスなどを手作りしています。アレルギーの人でもつけられて、海に入っても錆びにくいものが欲しかったので、自分で作ろう! と思って。素材もできる限り自然由来なモノを選んでいます。あとはどんなに取れにくく作ったとしても無くしてしまうこともあるので、リーズナブルな価格に設定しています」
Kylaさん自身が金属アレルギーだったことから、自分が理想とする、どんな人でも海でもつけられるモノを作っているのだとか。
自分も夫も旅と海が好きなことから、これからは働きながらさまざまな国を訪れ、たくさんの海を見たいと話すKylaさん。沖縄に移住して大きく人生が動いた彼女。これからどんなビーチライフが待ち受けているのか今後が楽しみだ。
text _ Miri Nobemoto
TAG #Kyla#ビーチライフ#沖縄#移住#素敵なあの人の偏愛事情
見えない部分にこそ、想いが溢れる。大橋海人さんがこだわる“日本製”には、作り手の哲学と誇りが詰まっている。手に取るたびに伝わる、その確かな温度。
繊細で軽やかなその輝きは、100年以上続くHARIOのガラスづくりの技から生まれたアクセサリー。東京・日本橋をはじめ全国の工房で、職人の手で、心を込めて仕立てられている。耐熱ガラスは加工がしやすく、驚くほど軽やかで、つけていることを忘れるような心地よさがある。もし落として割れてしまっても、修理してまた使えるのが、このガラスアクセサリーのうれしいところ。上の人差し指_三重県伊勢市のヤシマ真珠が光る「CROSPEARL」のリングMinamo 12号 ¥13.200、下の人差し指_雪が降り積もったようなリング シャーベット ¥6.600
海と人と未来をつなぐ、耳もとの小さなストーリー。石川県・専光寺浜で回収された海洋プラスチックが、障がいを持つ方々の手で一点ずつ丁寧にアクセサリーへと生まれ変わった。素材にはサージカルステンレスを使用し、肌にもやさしく、長く身につけられる仕様に。洗練されたデザインのなかに、環境と社会へのまっすぐな願いが込められている。日常にも特別な日にも、やさしさと誇りをまとって。身につけるたび、海への愛がふっと広がっていく。ピアス ¥3.080
L Aの空と海が映す、やわらかなブルー。その風景に宿るナチュラルなムードが息づくデニムは、岡山の自社ファクトリーで仕立てられている。ジェンダーや年齢を超えて愛されるのは、「デニム=窮屈」という先入観をくつがえす、ストレスフリーな穿き心地と美しいシルエット。なかでも「LEA」は、深めの股上とゆるやかなストレートラインが特徴。リラックス感がありながらも、脚をすらりと見せてくれる、大人の余裕が漂う一本。ボーイズストレート LEA ¥31.800
日常の機微を大切に感じながら、ものづくりと向き合うブランド。全国の産地や生産者とともに、素材と技術を見つめ直し、新たな価値を形にする。表面にコットン、裏面にリサイクルポリエステルを組み合わせた立体的なワッフル素材は、速乾性・軽さ・伸縮性を兼ね備えた着心地。売上の一部は、農業支援や海洋再生へ。服を楽しみながら、自然に還元する。そんな未来へ向けたファッション。ビッグワッフルスキッパーポロ ¥18.700
職人の手で仕上げられた、常滑焼の茶香炉。キャンドルを灯せば、やわらかな光とともに日本茶の香ばしい香りが広がり、空間も心もほぐれていく。香りを楽しんだあとは、炊いた茶葉をほうじ茶として味わうこともできる。ほっとひと息、五感に寄り添う贅沢な一品。シングルオリジン日本茶の魅力を広めるブランドが届けるのは、香りと灯りが織りなす静かな時間。茶香炉本体、台座、キャンドル、キャンドル置き、専用茶葉30g セット ¥6.500
私たちが日々選ぶものが、どこで、誰の手で、どう作られているのか。その背景を知ることは、消費をただの行為から、心の満足へと変えてくれる。armiの一着目としてオススメは、和歌山で編まれた「HARDMANシリーズ」。空紡糸を用いた度詰めの天竺生地は、ドライな肌ざわりとふっくらとした着心地を両立。シルエットは日本人の体型に合わせたレギュラーフィット。毎日に、まっすぐな一枚を選ぶという気持ちよさを届けてくれる。クルー レギュラーT ユニセックス ¥8.690
アーティスト松田雪音さんは波を追い、デッキを削り、音に魅せられた。スケートデッキに、音が宿る。その発想は、自らの想いが詰まった一本の板を、もう一度“生かしたい”という願いからだった。今回の作品にはプロスケーターでありフォトグラファーの荒木塁さんが提供したデッキが使用され、カルチャーへの敬意が込められている。かつて聴いていた音楽を、その時代のスピーカーで鳴らす。スケートデッキスピーカー ¥99.000
使う人の時間を少しだけ豊かにしてくれる。そんな想いから生まれたブランケットは、今治の職人が丹念に仕立てた、こだわりのタオルアイテム。シャーリング加工によって生まれるベロアのような滑らかさは、素肌にふれた瞬間に心までとろけるような心地よさ。夏はタオルケットに、アウトドアではビーチタオルに、ときにはソファにふわりと掛けてインテリアのアクセントにも。タオルブランケットAbstract Inlet 92×170cm ¥14.300
2003年の誕生から、オーガニックコットンにこだわり続けてきたブランド。人にも地球にもやさしいものづくりを支えるのは、伝統を受け継ぐ日本の産地と、誇りをもって向き合う匠たちの手仕事。春夏に心地よい、のびやかなパイルジャージ素材のスリッパもそのひとつ。やわらかな履き心地と、ホテルライクな品のあるデザイン。毎日を足元から、少しだけ豊かにする。そんな優しさがライフスタイルを彩る。パイルジャージオープントゥスリッパ ¥4.620
化学肥料や農薬に頼らず、大地と共に育てられたコシヒカリ。それは、新潟の生産者たちが守り抜いた力の結晶。ファーマーズセレクトは、有機肥料という解決策で、自然と人の未来にやさしい選択を届けてくれる。土壌を傷つけず、水を汚さず、微生物が息づく豊かな土で育ったお米。週替わりにランダムで届くのは、生産者一人ひとりのこだわりと情熱、そして物語。新潟・阿賀野市で大橋さんが無農薬で育てた『KAITO』もそのひとつ。お米を選ぶことは、未来を選ぶこと。3合 2袋入り¥2.139
毎日、体に取り込んでいる“水”。だからこそ、信頼できるものを選びたい。日本にはまだ知られていない名水がたくさんあり、それを未来へ、そして世界へと伝えていくために生まれたのが『瑞 みずのみず』。中でも「06:01 forhealth & recovery」は、Ultra Fine Bubbleと高濃度酸素を融合した機能水で大橋さんのお気に入り。ビジネスやスポーツで限界まで動き続ける人の体と脳を、回復へと導くことが期待できる。500ml 24本入り サブスクリプション ¥13.200
【Profile】
大橋 海人
1992年、神奈川県生まれ。17歳でJPSAデビューを果たし、2015年にWSLジャパンのリージョナルチャンピオンになる。現在はフリーサーファーとして国内外で活躍し、サーフシーンに新たなムーブメントを生み出している。
大橋 イザ
1993年、群馬県生まれ。モデルとして活動後、2021年にプロサーファーの大橋海人さんと結婚。得意の料理は海人さんもご満悦の腕前。サーフィンの撮影を手伝うこともたまにあるそう。
photography _ MACHIO hair&make up _ TAKESHI special thanks _ THE VIEW KAMAKURA
【バックナンバー】
01_飾らずにいられる、ふたりのあり方
02_その波は、未来につながっている
03_誇りは、細部に宿るVol.1
>>特集の続きは誌面でご覧ください。
「SALT…Magazine #04」 ¥3300
サーフィン、暮らし、生き方、そして思考をより本質的なものへと回帰。シンプルで持続可能な在り方を追求することこそが、真の豊かさにつながる。
<Contents>
⚪︎Burleigh Single Fin Festival
⚪︎未知なる領域へ̶̶ サーフィンの新境地
⚪︎シングルフィンを愛する10人のインタビュー
⚪︎STILL AND TRUE
⚪︎笹子夏輝 ~カリフォルニア・スタイル巡礼の旅
⚪︎サーフィンによるマインドセットのススメ
⚪︎Stories Behind the Waves
⚪︎今を生きるサーファーたちのダイアログ
⚪︎世界の果て、南ポルトガル・サグレス
⚪︎Column _ Miyu Fukada
オンラインストアにて発売中!
TAG #armi#CHA BAKKA#Dajac#HARIO Lampwork Factory#Kaeru Design#MYTONE#SALT...#04#SEAGREEN#STILL AND TRUE#TENERITA#YANUK#大橋海人
見えない部分にこそ、想いが溢れる。大橋海人さんがこだわる“日本製”には、作り手の哲学と誇りが詰まっている。手に取るたびに伝わる、その確かな温度。
日本から世界へ。海の向こうの波と文化に触れながら、サーファーとして、そしてクリエイターとして歩んできた、大橋海人さん。彼が大切にしている価値観のひとつに「日本製」がある。それは単なる品質への信頼ではなく、そこに宿る“人の想い”や“哲学”への敬意に根ざしている。
「日本製のものって、見た目の美しさだけじゃなくて“中身”がちゃんとしてるんですよ。使ってみるとわかるんです。細かいところまで考えられていて、使う人のことを想像して作られているからこその、美しさがある」
大橋さんはこれまで、世界中の海を旅し、さまざまなプロダクトに触れてきた。ウェットスーツひとつとっても、日本製と海外製では明確な違いがあるという。素材が同じでも、仕上げの精度や細部の美しさに差が出るのだ。
「たとえば縫製のラインや接着剤の塗り方。日本製は本当にキレイで、ラインも真っ直ぐ。一方海外製は、ボンドがはみ出ていたり、仕上げが雑だったりすることもある。見ただけで、丁寧に作られているかどうかがわかるんです」
現在、大橋さんは自身のブランド『Lordish Behavior(ローディッシュビヘイビア)』のディレクターとして、国内でつくられたアイテムを世界に発信している。“日本から世界へ”をテーマに、ものづくりへのこだわりと自分たちらしさを大切にしている。実際に完成した製品は、海外の仲間たちにも届けられ、「日本製は本当にクオリティが高い」と高評価を得ている。
「よくあるものを真似するんじゃなくて、自分たちならではの視点を形にしたい。たとえばボードケースでも、ファスナーの動かしやすさやグリップの形状といった細かい部分にこだわっています。そういうディテールにこそ、ブランドの個性が出ると思うんです」
そして、その“ちょっとした違い”を形にできるのが、日本の職人の力だ。
「細かい要望にも応えてくれて、それを高い精度で実現してくれる。しかも“それ、面白い”って前向きに受け止めてくれるんです。日本のものづくりには、柔軟さと挑戦心が感じられます」
彼が大切にしているのは、“流行っているから”、“安いから”ではなく、“ちゃんといいもの”を選ぶこと。長く愛されるもの、使い手の暮らしに寄り添うものはなにかを見極める。そうしたプロダクトをつくるために、手間も時間も惜しむことはない。
「丁寧につくられたものって、ずっと使いたくなるし、大事にしたくなる。思い出や気持ちとして残っていく。そういうのが、ものづくりの価値なんじゃないかなと思うんです」
目に見えない魂が宿ったプロダクト。職人の手から生まれたその一つひとつが、大橋さんの活動を支えている。
「日本製を選ぶのは、品質や技術の問題だけじゃない。その背景にある“人間らしさ”に惹かれているし、自分もその一部になれている気がするんです」
海で培ってきた感性と、日々の暮らしの中で積み重ねてきた実感。そのすべてが、彼のプロダクトに息づいていた。
毎日のケアだからこそ、本当に信じられるものを。そんな発想から生まれた歯ブラシは、日本初のホワイトニングサロンと共に、歯と歯ぐきの健康を考えて開発。小さなヘッドと持ちやすいストレートハンドル、そして歯周ポケットにまで届く極細毛が、やさしく確実に汚れをオフ。毎食後のベーシックケアに、家族みんなが安心して使える一本。だれかを想う気持ちが、毎日の習慣をやさしく変えてくれる。メイド オブ オーガニクス×ティースアート デイリー歯ブラシ ¥495
澄みきった潤いは、沖縄・久米島の海洋深層水から。ミネラル豊富なその水に、国産のシークワーサーや椿、茶など、サスティナブルな植物オイルを重ね合わせて。日本の技が引き出した、水とオイルの絶妙なバランス。素材本来の力を損なわないよう、すべてを手作業で丁寧に仕立てたスキンケア。繊細なミストがふわりと肌を包む“化粧水”、なめらかに浸透する“ 美容オイル”が、内側からうるおいを届けてくれる。ミキシング オイル 30ml ¥4.840、03_ミキシング ローション 100ml ¥3.960
植物の根、葉、茎、実。そのすべてをまるごと使った“全草エキス”。オーガニックコスメとして、自然の力を余すことなく肌へ届けたいという発想から、このクレンジングオイルは生まれた。対馬で農薬不使用で育ったオタネニンジンをはじめ、国産の植物を自社農園で丁寧に育て、低温真空抽出法で栄養を壊さずエキス化。肌をつっぱらせず、メイクオフのたびにしっとりとうるおいを与えてくれる。洗うという行為が、肌を満たすケアになる。クレンジングオイル 120ml ¥4.180
海洋深層水と植物の恵みだけで肌を満たす2層式のオイルインローション。佐賀県産のホーリーバジルや、奈良県産の大和茶の成分をたっぷり含んだ植物オイルが、肌をしっとり、やわらかく整える。お風呂上がりにこの一本で、毎日のスキンケアをより自由に、心地よくしてくれる。シトラスとフランキンセンス、ヒバが織りなす爽やかで奥深い香りに包まれて、肌と心がふわっとほどける感覚に。ヴァーナライザーボディオイルインローション 120ml ¥2.970 / クレヨンハウス
福岡県久留米市の職人がスリランカ産のセサミを昔ながらの石臼を用いて、15℃前後の低温でゆっくりと搾り出したオイル。その希少な一番搾りの植物の生命力、国産の酒粕など自然の恵みを贅沢に使い、釜炊き製法でじっくりと作られた洗顔料。きめ細やかな濃密泡が肌をやさしく包み、必要なうるおいはそのままに、すっきりと洗い上げる。心までほぐれるようなグリーンティの香りに包まれ、洗うたびに素肌が深呼吸するような、やさしいスキンケアを。生せっけん 100ml ¥3.400
肌が敏感な日にも、自然と戯れたい。揺らぎ肌へも穏やかに寄り添う日焼け止めがこちら。紫外線から守りながらも、肌に直接触れないよう酸化チタンをコーティングし、負担を軽減したシンプルな処方。石けんで落とせる心地よさも、毎日のケアをやさしく整えてくれるはず。健やかな肌と暮らしを思い描き、必要なときにそっと差し伸べられる、小さな想いやりのような存在。日常に欲しいやさしさがここにはある。センシティブ スキン UVプロテクト ローション SPF 28 PA+++ 40ml ¥2.750
日本の美しさは、日々の所作や小さな習慣に宿るもの。そんな哲学から生まれたバームは、乾燥や肌荒れをやさしく和らげ、季節の変化にゆらぐ肌を静かに整えてくれる。ツヤを与えるヴィーガン処方は、敏感な肌にもやさしくなじみ、ふわりと香るラベンダーが、不安な心まで包み込む。肌を守り、潤いを届けながら、丁寧に生きるということを思い出させてくれる一品。ひと塗りの時間が、慌ただしい毎日に“静止のひととき”をもたらす。リトルワンダーリップ&スキンバーム 8g ¥3.080
ヘアスタイリストで毛髪診断士のshucoさんがプロの目線でこだわり抜いたヘアバーム。浮き毛やアホ毛も自然にまとまり、固めずやわらかに仕上げる。オーガニックのツバキ油やオリーブ油が髪にうるおいとツヤを与え、スタイリングとケアを同時に叶える処方。肌に触れても心地よいやさしさで、顔まわりはもちろん、リップやネイルケアにも使えるマルチユース。日々の小さな“整う”が、心をそっとゆるめてくれる。ヘアバーム ナチュラル 15g ¥2.970 / コスメキッチン
アルコールを使わず、水と植物性オイルをブレンドした処方は、軽やかでみずみずしく、それでいて奥行きのある香りを叶えてくれる。長野県のワイナリーで育てられたシャルドネの果実から抽出したエキスや、オーガニックハーブが、心と肌をやさしく整えてくれる。「トワイライト ガーデン」は、レモンの透明感から始まり、ジャスミン、チューベローズ、そして深いウッディへ。日常に静かな余韻を添える。ザ フレグランス トワイライト ガーデン 50ml¥3.300 / コスメキッチン
森の中で深呼吸するような、やさしい時間を眉にも。天然由来成分83%のアイブロウマスカラは、眉毛に自然な立体感とツヤを与えながら、アイブライトやカレンデュラなど森が育んだ植物エキスで、同時にケアも叶える。グロッシーなフレッシュグリーンは、ソフトな印象をつくり、男性のひげにも使えるユニセックスな処方。動物実験を行わず、すべての成分もヴィーガン対応。自然を尊びながら、美しく整える。そのやさしさが、眉から始まる。アイブロウフィクサー 雫 5g ¥2.750
時代に流されない“本物”とは何か。職人とともに丁寧に向き合いながら生まれる一枚の服には、素材、縫製、デザインすべてにおいて確かな技術と想いが宿る。オーガニックコットンを使用したバスクシャツは、三子糸で織られた吊り編みの天竺素材。洗うほど目が詰まり、よれにくく、着るたびにフォルムの美しさが際立つ。仕立ては山形の大石メリヤス。服というプロダクトを超え、作り手・売り手・着る人すべてをつなぐ、新しい“共同体”のかたち。バスクシャツ ¥28.600 / ロンハーマン
【Profile】
大橋 海人
1992年、神奈川県生まれ。17歳でJPSAデビューを果たし、2015年にWSLジャパンのリージョナルチャンピオンになる。現在はフリーサーファーとして国内外で活躍し、サーフシーンに新たなムーブメントを生み出している。
大橋 イザ
1993年、群馬県生まれ。モデルとして活動後、2021年にプロサーファーの大橋海人さんと結婚。得意の料理は海人さんもご満悦の腕前。サーフィンの撮影を手伝うこともたまにあるそう。
photography _ MACHIO hair&make up _ TAKESHI special thanks _ THE VIEW KAMAKURA
【バックナンバー】
01_飾らずにいられる、ふたりのあり方
02_その波は、未来につながっている
>>特集の続きは誌面でご覧ください。
「SALT…Magazine #04」 ¥3300
サーフィン、暮らし、生き方、そして思考をより本質的なものへと回帰。シンプルで持続可能な在り方を追求することこそが、真の豊かさにつながる。
<Contents>
⚪︎Burleigh Single Fin Festival
⚪︎未知なる領域へ̶̶ サーフィンの新境地
⚪︎シングルフィンを愛する10人のインタビュー
⚪︎STILL AND TRUE
⚪︎笹子夏輝 ~カリフォルニア・スタイル巡礼の旅
⚪︎サーフィンによるマインドセットのススメ
⚪︎Stories Behind the Waves
⚪︎今を生きるサーファーたちのダイアログ
⚪︎世界の果て、南ポルトガル・サグレス
⚪︎Column _ Miyu Fukada
オンラインストアにて発売中!
TAG #AINOKI#DAMDAM#made of Organics#NEMOHAMO#OSAJI#QUON#SALT...#04#SELF REFLECTION#Soel#STILL AND TRUE#SUMIDAY#UNION LAUNCH#whipp#大橋海人
ただ波に乗るだけじゃない。心を動かす経験が、未来を変えていく。プロサーファー大橋海人さんが届けるのは、夢への小さなきっかけと、大きな希望。
「日本のサーフィンをもっと強くするには、“きっかけ”が必要なんです。そのきっかけを、自分がつくれたらと思って」
現在彼が取り組んでいるのは、次世代のサーファーの育成と競技の普及を目指すプロジェクト『KNOT(ノット)』。これは単なる育成プロジェクトではない。2021年、コロナ禍により国内の大会や合宿が中止され、選手たちが活動の場を失われたことがきっかけで始まった。
「世界のサーファーは動き続けている。このままでは日本だけが取り残されてしまうかもと危機感があったんです」
まずは全国から1分間のサーフィン動画を募り、プロの目で審査。選考者を茅ヶ崎に招き、大会を開催。そこで選ばれた選手を海外遠征へと連れて行くというのがKNOTの基本的な流れ。選手募集から審査、大会運営、スポンサー集めに至るまで、すべて大橋さんが一人で担っていた。
「本当に大変でした。でも若い頃、自分がしてほしかったことを、今の若い子に届けたい。それが原動力だったんです」
自身も10代で単身海外に渡り、未知なる環境で経験を積んできた。世界のトップレベルのサーファーと過ごした日々は、自分の限界を広げるきっかけになった。
「うまい選手のサーフィンって、常識を超えてくる。そういう視点を、若いうちに持つことが大切なんです」
KNOT の目的は、才能のある選手を“選ぶ”ことではなく、才能に火をつける“きっかけ”を与えること。日本のサーフィンは自由度が高い一方で、目指すべきスタイルやゴールが見えにくく、迷ってしまう若者も多い。だからこそ、世界のトップ選手とのセッションや海外遠征を通じて、実際にその空気に触れることが重要だと考えている。
さらに大橋さんは、KNOTを“観るスポーツ”としてのサーフィンにも広げたいと話す。選手同士の1対1の試合形式や、バックグラウンドを伝える映像演出など、観客が感情移入できる工夫を取り入れていきたいと展望を教えてくれた。
「この選手を応援したい、と思えるストーリーがあれば、サーフィンはもっと面白くなると思うんです」
実際、KNOT の映像はYouTubeで30万回以上再生され、多くの関心を集めている。こうした可視化がスポンサー獲得にもつながり、選手育成の循環を生み出していく。
これまでに3回の選考と2度の海外遠征を実施。その中から、国内外で活躍する若手も育ってきた。
「才能ある子はたくさんいる。でも、日本にはその才能を開花させる“場”がまだ足りないと感じています」
プロサーファーとして現役で活動しながらのプロジェクト運営は、決して簡単ではない。それでも「今の自分だからこそできることがある」と、使命感を持って取り組んでいる。
「若い子たちが、“自分の可能性はここまでじゃない”って思えるきっかけを、ひとつでも多く渡したい」
『KNOT』の名の通り、人と人、夢と未来、日本と世界を結び、次の波を起こしていく。このプロジェクトが描くのは、サーフィンの新しい可能性と、未来につながる大きな希望だ。
千葉・館山の工房で、一つひとつ丁寧に手作業で作られる『Orient Surf Wax』。蜜蝋と天然原料だけを使い、しっとり、でもすっきりとした使用感は、独自の粒が足を点で支える構造から生まれたもの。そこに『MojaMoja』が遊び心を加えたものがこちら。ハンドメイドで染めたコットンバッグや、ワックスに施されたデザインも、サーフィンに向かう気持ちを高めてくれる。選ぶことで海が守られる。そんな未来を、この小さなワックスが繋いでいく。サーフワックス ¥1.320
「もう、これしか使えない!」と語る大橋海人さん。目に染みるのが嫌で日焼け止めを避けてきた彼が、ついに出合った一本。プロダクト監修は、同じくプロサーファーの湯川正人さん。湯川さんが海で何度もテストを重ね、納得のいく処方に仕上げた。手を汚さず塗れるクッション付きチューブ、焼けた肌にも自然になじむ色、そして珊瑚にもやさしい成分。パフォーマンスと海への思いやりが詰まった日焼け止め。クリーム UV ウォータープルーフSPF50 PA++++ 50g ¥4.400
「最初は正直、半信半疑だったんです」。そう話すのは、妻のイザさん。髪、肌、ウェットスーツまで洗えると聞いて驚きつつも、一度使えば、心地よさに納得。泡立ちのよさ、コンディショナーいらずのしっとり感、肌へのやさしさ。そのすべては、大橋海人さんと洗濯ブラザーズが、“未来のサーファーのために”と願いを込めて作りあげたからこそ生まれたもの。海あがりのケアが、この一本で完結する。サーファーだけでなく、すべての人のライフスタイルに寄り添う、新しい選択。パーフェクトソープ 450ml ¥2.970、ウェットスーツ ¥65.000〜、折りたたみ式ウエットバケツ ¥6.600
【Profile】
大橋 海人
1992年、神奈川県生まれ。17歳でJPSAデビューを果たし、2015年にWSLジャパンのリージョナルチャンピオンになる。現在はフリーサーファーとして国内外で活躍し、サーフシーンに新たなムーブメントを生み出している。
大橋 イザ
1993年、群馬県生まれ。モデルとして活動後、2021年にプロサーファーの大橋海人さんと結婚。得意の料理は海人さんもご満悦の腕前。サーフィンの撮影を手伝うこともたまにあるそう。
photography _ Kenyu Takahashi(Surfing), MACHIO hair&make up _ TAKESHI special thanks _ THE VIEW KAMAKURA
【バックナンバー】
01_飾らずにいられる、ふたりのあり方
>>特集の続きは誌面でご覧ください。
「SALT…Magazine #04」 ¥3300
サーフィン、暮らし、生き方、そして思考をより本質的なものへと回帰。シンプルで持続可能な在り方を追求することこそが、真の豊かさにつながる。
<Contents>
⚪︎Burleigh Single Fin Festival
⚪︎未知なる領域へ̶̶ サーフィンの新境地
⚪︎シングルフィンを愛する10人のインタビュー
⚪︎STILL AND TRUE
⚪︎笹子夏輝 ~カリフォルニア・スタイル巡礼の旅
⚪︎サーフィンによるマインドセットのススメ
⚪︎Stories Behind the Waves
⚪︎今を生きるサーファーたちのダイアログ
⚪︎世界の果て、南ポルトガル・サグレス
⚪︎Column _ Miyu Fukada
オンラインストアにて発売中!
TAG #EN#LordishBehavior#MojaMoja#SALT...#04#STILL AND TRUE#大橋海人
海辺で暮らす、大橋海人さんとイザさん。等身大のふたりが大切にしているのは一緒に食卓を囲み、言葉を交わし、心が動くものを選んで暮らすこと。自然に身を委ねることで、静かな優しさと確かなリズムが流れる。
海を軸にした暮らしを送る大橋海人さんとイザさんにとって、自然は毎日のリズムそのもの。そんな暮らしを軽やかに続けるために、大切にしているのが“整える時間”だ。
「夜ごはんは、なるべく一緒に食べています。“ちゃんと顔を合わせる時間”を作る意識がお互い自然とできています」
そんな時間が、気持ちを切り替えるスイッチだという。
「試合や撮影でうまくいかない日もありますが、一緒にごはんを食べると不思議と気持ちがリセットされるんです」
また、夜は仕事のLINEも控えめにして、暮らしに“オフ”の時間を作るようにしている。オンとオフのスイッチを持つことで、仕事と私生活のバランスを整える。それはふたりが無理なく、心地よく暮らすための工夫でもある。
「仕事って、気を抜くとずっと続いてしまう。でも、夜は手を止める時間を持つことで、リセットされるんですよね」
ふたりが暮らすのは海の近く。波がなければ「また明日入ればいい」と思えることが、心にも余白をつくってくれているようだ。
「一緒に散歩したり、数独をしたり(笑)、何気ない日常の中にこそ心地よさがあるんです」
波のコンディションに合わせるため、決まった時間に働くのが難しいからこそ、日々の小さな習慣が暮らしの軸。それは、ふたりの間に流れる見えない約束のようでもある。
そんなふたりの暮らしには、日本のクラフトやナチュラルなプロダクトが自然と溶け込んでいる。
「バンブーの香りのシャンプーとか、穏やかな香りのものを選ぶようにしています。日本の製品は肌に優しいし、香りも控えめで気持ちいいんですよね」
選ぶ基準は、見た目のよさだけでなく、使ったときの心地よさ。使う道具に作り手の想いを感じることも、暮らしの楽しみになっている。
「見た目がよくても、使いづらいと意味がない。クラフト的な視点で、“ちょっといいもの”を選ぶ感覚ですね」
ふたりは、共に暮らすなかで少しずつお互いに影響を与え合っている。
「イザは人に対してすごく丁寧で謙虚。その姿を見て、自分も変わらなきゃと思うようになりました」
「私は、彼が海外に行く前に手紙を書くようにしていて。彼は書いてくれないんですけど(笑)、でもそういうことがちゃんと続いているのって、素敵だなって思います」
大橋さんもイザさんの影響もあってか、今はきちんと言葉にしてくれると、イザさんがこっそり教えてくれた。そして、未来の話をすると、ふたりの声は自然と弾む。
「この間ハワイから帰る飛行機で“次はあの島に行きたいね”って話していて。一緒に行きたい場所や、挑戦してみたいことがどんどん出てくるんです」
サーフィンだけじゃなく、ごはんを食べて、街を歩いて、そんな旅のかたちもこれから増やしていきたいという。自然と旅を楽しみながら、心が動くものを選んで、無理せずに暮らしていく。そんなやさしい理想が、ふたりのこれからを静かに、そして力強く支えている。
福井県鯖江市で60年以上受け継がれてきた眼鏡づくりの伝統。シェイプから組み立てまで、100以上の工程を職人が手作業で仕上げるアイウエアには、ものづくりへの愛と誇りが息づく。このブランドを手がけるのは、國母和宏さん、工藤洸平さん、三本木心さん、そして大橋海人さん。ファッション、アート、スノーボード、スケート、サーフィンのカルチャーを高次元で融合し、デザインしている。2025年には大橋海人さんのモデルも登場予定。サングラス SHIN ¥43.000
じんわりとしたぬくもりに包まれて眠る。この寝具は、満ち足りた朝をそっと届けてくれる。特殊技術により繊維に練り込まれた温泉由来のミネラルが、一日の疲れをやさしく癒し、心身を整えてくれる。インドで手摘みされた綿花を極細の生糸にし、今治の職人たちの手で丁寧に仕立てられたコットンは、なめらかな肌ざわり。やわらかな色合いは、江戸時代に伝来した“亜麻”をイメージ。ボックスシーツ シングル ¥15.000、掛け布団カバーシングル ¥18.000、ピローケース ¥ 4.800
心と身体は、静かに、そっと繋がっている。そんな想いから生まれた、眠りのためのエッセンシャルオイルミスト。中医学をベースにした5タイプの香りは、どれも一日の終わりに寄り添い、明日を楽しみに変えてくれる存在。寝る前にひと吹きするだけで、自然と心と身体が整っていく。SALT...のおすすめは「一晩中、ゆっくりしたい」人に向けたもの。ウッディで落ち着いた花の香りが、深い眠りへとやさしく導いてくれる。ピローミスト kukka #525ml ¥4.980
マッチを擦るように火を灯し、ふわりと立ちのぼる自然の香りに、心をゆだねる。着火具を使わずに楽しめる新しいかたちのお香。淡路島の“香”と播磨の“マッチ”。兵庫県が誇るふたつの伝統が出合い、約3年の歳月をかけて、やさしい香りの習慣が生まれた。香りを楽しむ時間が、日常の中に小さな余白をつくる。黒箱_オークの根元でしっとり息づく苔の香り。オークモス 30本入り ¥2.805 白箱_懐かしい静けさで、心を包む樹木の香り。ひのき 30本入り ¥2.475
「ねるこっちゃ」。富山の方言で、「おやすみなさい」を意味するあたたかな言葉。この響きをそのままブランド名『Nercocia.』とし、肌にも心にも届くように。そんな願いから生まれたナイトウエアは、日本古来の和漢植物“ハトムギ”の天然由来保湿成分をレーヨン繊維に練りこんだ“ハトムギヌカ繊維”を使い、肌に寄り添うやさしさを纏わせる。使用するのは、もともと捨てられていたハトムギのぬか。自然の恵みを再び巡らせる“循環するものづくり”が、そのやさしさの源。大橋さん_Wガーゼ ヘンリーネックシャツ ¥16.500、Wガーゼ ストレートパンツ¥11.000、エイトロックスムース カーディガン ¥19.800、イザさん_エイトロックスムース ワンピース ¥23.100
【Profile】
大橋 海人
1992年、神奈川県生まれ。17歳でJPSAデビューを果たし、2015年にWSLジャパンのリージョナルチャンピオンになる。現在はフリーサーファーとして国内外で活躍し、サーフシーンに新たなムーブメントを生み出している。
大橋 イザ
1993年、群馬県生まれ。モデルとして活動後、2021年にプロサーファーの大橋海人さんと結婚。得意の料理は海人さんもご満悦の腕前。サーフィンの撮影を手伝うこともたまにあるそう。
photography _ MACHIO hair&make up _ TAKESHI special thanks _ THE VIEW KAMAKURA
>>特集の続きは誌面でご覧ください。
「SALT…Magazine #04」 ¥3300
サーフィン、暮らし、生き方、そして思考をより本質的なものへと回帰。シンプルで持続可能な在り方を追求することこそが、真の豊かさにつながる。
<Contents>
⚪︎Burleigh Single Fin Festival
⚪︎未知なる領域へ̶̶ サーフィンの新境地
⚪︎シングルフィンを愛する10人のインタビュー
⚪︎STILL AND TRUE
⚪︎笹子夏輝 ~カリフォルニア・スタイル巡礼の旅
⚪︎サーフィンによるマインドセットのススメ
⚪︎Stories Behind the Waves
⚪︎今を生きるサーファーたちのダイアログ
⚪︎世界の果て、南ポルトガル・サグレス
⚪︎Column _ Miyu Fukada
オンラインストアにて発売中!
TAG #hibi#kukka#Nercocia.#SALT...#04#STILL AND TRUE#UTAR EYEWEAR#YUAMI#ビーチライフ#大橋海人
海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
Profile
Bella Francesca Rock ベラ・フランチェスカ・ロック
アメリカ・ピッツバーグ出身、現在28歳。バリとメンタワイ諸島を行き来しながらグラフィックデザイナー、フォトグラファーとして活動している。
あなたのことについて教えて
生まれ育ちはアメリカ・ペンシルベニア州のピッツバーグ。海から遠く離れた、田舎のファームで育った。10歳のとき父と一緒にカリフォルニアを旅行して、そのときに初めてサーフィンをした。その瞬間から海に惹かれていったのを覚えている。それから3年後、大好きだった父が亡くなり、生きる意味を見つけるのがとても難しい時期があった。でも、母がフロリダに家を買ったことがきっかけで自然の中で過ごすことが増え、サーフィンやダイビング、釣りにどんどんハマって行ったの。20歳のときにカリフォルニアに移住して、それ以来サーフィンは私の生活の一部になった。
2021年、当時付き合っていた彼とバリへの旅行を計画していたんだけど、旅のはじめに「別々の道を歩もう」と決めたの。でも、初めて訪れたバリの美しさにすっかり恋をしてしまって……。最初は数ヶ月滞在するつもりだったんだけど、気がつけばもう4年も経っている。
今はウルワツを拠点に、メンタワイ諸島を行き来しながら生活している。仕事は、大学で学んだグラフィックデザインを活かしてデザイナーをしつつ、メンタワイではフォトグラファーとして、ボートトリップに訪れるサーファーたちを撮影している。
カメラを始めたきっかけと新しいビジネス
写真はもともと趣味程度で始めたの。当時付き合っていた彼がフィルムメーカーで働いていたからカメラ機材はすべて揃っていて、遊び半分で撮り始めたのがきっかけだった。
初めて“仕事”として撮影したのは、ボートトリップ。完璧な写真を求められていたわけではなかったからプレッシャーを感じることなく、自然体で撮影することができた。その旅は、これまで何度も訪れたメンタワイの中でも一番の思い出。写真を撮る楽しさも、手つかずの自然や世界トップクラスの波を体験できたのも、すべてが今の自分につながっていると感じている。
インドネシアの波、文化、人々——この土地は、本当にたくさんのものを私に与えてくれた。そしてそれが、今の私を形づくっている。だから今度は私がこの場所に恩返しをしたいと思って、ブランドを立ち上げたの。フィンを入れるバッグなんだけど、インドネシアのローカルなバティック柄の生地を使っていて、利益の一部は地域のコミュニティに還元する予定。
海、自然との関係を言葉で表すなら?
“Mother Nature”という言葉がピッタリ当てはまると思う。その日の波のコンディションによって、毎回違う気付きや学びを得ることができる。例えば、波が大きな日には自分を謙虚にさせてくれるし、逆にあまり期待せずに行った日に限って、人生最高の1本に巡り合ったりする。自然は、自分ではコントロール出来ないということを優しく、でも力強く教えてくれる母なる存在。
お気に入りのボードとサーフスポットは?
最近は、ツインフィンに乗るのがマイブーム。小波でも楽しめるロングボードも気になっていて、中古のボードを買おうかどうかちょうど迷っているところ。
お気に入りのサーフスポットは、バリのビンギンとメンタワイ諸島のテレスコープ。どちらも何度も訪れたくなる、大好きな場所。
次はモロッコとスリランカに行ってみたい。豊かな文化に惹かれる性格だから、この2カ国はずっと行きたいと思っている憧れの場所。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
コーヒー、波、サーフボード。サーフィンがない生活は考えられないわ。
これから何か新しいことを始めたい人へのアドバイスをするとしたら?
やりたいことがあるなら、思い切って始めることかな。考えれば考えるほど障害物が出てくるから、直感で思いついたアイデアを信じてみること。
今後の夢や目標は?
今は、新しく始めるビジネスを育てていくことがひとつの目標。ビジネスといっても、あまり堅く考えているわけじゃなくて、好きなことから始めたことだから、自然な形でうまくいったらいいなって思っている。
それから、もっとインドネシアの島々を巡りたいというのも、ずっと心にある夢。ついつい波が豊富な場所にばかり足を運びがちだけど、それ以外にも手つかずの大自然が広がる島がたくさんある。そんな場所をこの目で見て、感じてみたいと思ってる。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#ビーチライフ#ベラ・フランチェスカ・ロック#メンタワイ#連載
海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
Profile
Ana Houpert アナ・ホウパート
フランス出身、24歳。フランス西部のオレロン島でフードトラックを経営。春から秋はオセゴーとの二拠点生活を送りながら、冬はインドネシアをはじめとするアジアのサーフスポットを旅して過ごしている。
あなたのことについて教えて
生まれも育ちもフランス北西部の、海から遠く離れた小さな街。5年前、19歳のときにオセゴー近郊の街へ移り住み、春から秋にかけてのヨーロッパのハイシーズンには、オセゴーとオレロン島を行き来している。そして冬の間は、インドネシアをはじめとする様々なアジアのサーフスポットを旅しているの。
フランスでは、アサイーボウルやコーヒーなど、サーフィンの後に手軽に食べられるヘルシーなフードやドリンクをフードトラックで販売している。この地域には、伝統的なレストランが多く、フレッシュでオーガニックな食材を使ったお店や、サーファーたちが気軽に立ち寄れるようなコミュニティスペースが少なかったことが、フードトラックを始めたきっかけだった。
また、リトリートやイベントではシェフとしても活動しており、ヘルシーなフードを提供するなど、健康的なライフスタイルを届けることを大切にしている。
サーフィンを始めたきっかけは?
サーフィンを始めたのはホセゴーに引っ越してきたのがきっかけで、今から4年くらい前。波のコンディションに合わせて、ロングボードとショートボードを使い分けるのが好きだけど、インドネシアに行くときは、バレルを求めてショートボードが中心。
インドネシアを初めて訪れたのは6年前。当時のバリは今のように開発が進んでなく、その姿を見ることができて本当にラッキーだった。そのときに目にした波や景色が忘れられなくて、昨年(2024年)はじめて一人でサーフトリップに出かけたの。今年はスンバワ島やメンタワイ諸島など、他の島々にも足を延ばし、インドネシアの自然の美しさを肌で感じることができた。波はもちろん最高で、現地の人たちもとてもフレンドリー。ますます大好きな場所になった。
特に印象的だったのが、今年メンタワイで出会ったオーストラリア出身のサーファーガールたち。ビッグウェーブに挑む姿や、ツインフィンでスタイリッシュに波を乗りこなす彼女たちの姿に、とても刺激を受けたわ。もっと旅をして、価値観の近いサーファーたちと出会いながら、自分のサーフィンのスキルを磨いていきたいという気持ちが、これまで以上に強く芽生えた。
どこで、どんな波に乗るかも大切だけど、そこで出会う人たちこそが、サーフトリップの醍醐味だと気づかされた旅だった。
海、自然との関係を言葉で表すなら?
海にいるときが、一番“安心”を感じられる時間。すべての時間がゆっくりと流れて、「今この瞬間」を心から楽しめる。特に、仕事のことで頭がいっぱいになっている日々の中で、サーフィンをしている時間は本当に大切なひととき。そして、波が大きい日やチャレンジングなコンディションの日は、自然の力が私を謙虚にしてくれる。自分の存在や日々の悩みがちっぽけに感じられて、改めて海の壮大さに圧倒される。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
サーフィン、深い繋がりを感じられる友達、そして自分と他人への愛。
これから何か新しいことを始めたい人へのアドバイスをするとしたら?
まずは、自分を信じること。そして、前向きなセルフトークを心がけることが大切。あとは、自分に厳しくなりすぎないことかな。
言葉には不思議な力があって、「私にはできない」とか「向いてないかも」といったネガティブなセルフトークは、自分の行動や気持ちにも影響してくる。
若い頃は、深く考えずについそういう言葉を口にしていたけれど、今はできるだけ、自分の背中を押してくれるような言葉を選ぶようにしている。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#アナ・ホウパート#インドネシア#ビーチライフ#連載
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