• 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/20_シャーロット・パイパー
  • 2025.07.23

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Charlotte Piper シャーロット・パイパー
ドイツ出身のフォトグラファー。現在はインドネシアを拠点にしながら、サーフブランド、リトリート、世界各地のイベントを撮影している。

あなたのことについて教えて

生まれはドイツ・ベルリン。幼少期に北ドイツの海岸沿いへ引っ越したのをきっかけに、サーフィンを始めた。夏になると波が豊富なフランスへ家族で出かけ、毎日のように海に通ったのを今でもよく覚えている。その頃から写真にも興味を持ち始め、大学ではフィルム写真を専攻。いつか、サーフィンと写真を仕事にできたらと、ずっと思い描いていた。
初めてバリを訪れたのは2010年。当時のバリはまだ田園風景が残り、カフェやレストランも数えるほどだった。サーファーたちは“アイランド・タイム”で、のんびりと波を追いかけ、そんな風景にすっかり恋をした。そして、ここを拠点にしようと決意した。
バリに移住する前は、オーストラリアのバイロンベイに4年半ほど滞在していた。自然と調和したライフスタイルのなかで、スタイリッシュなサーファーたちをカメラに収め、多くのクリエイティブな繋がりを築いていった。本格的にサーフィンを始めたのもこの頃。バイロンベイの有名なスポット“The Pass”で、まるで踊るように波に乗るサーファーたちを見て、強く心を動かされたのを覚えている。
愛用しているボードは、Suketの9’4”シングルフィン。最近は仕事が忙しくて海に行く時間が減っているけど、隙間時間で海に入ると、「やっぱりサーフィンって人生のエッセンスだな!」と実感させてくれる。お気に入りのサーフスポットは、モルディブとフィリピン。

フォトグラファーを始めたきっかけは?

11年前、初めて水中撮影をしたのが始まり。ハウジングを手に入れて向かったのはフィリピン。最初はちゃんと撮れているかも分からず、溺れているような感覚だった。でも、海の中で過ごす時間が増えるにつれて、体が自然と覚えていった。そこからは、自分のプラットフォームを通じて作品を発信し続けている。そして同じような世界観を持つ人たちの目に留まり、少しずつ仕事へと繋がっていった。
ここ数年は、サーフリトリートやサーフブランドの撮影をメインに活動している。フィジーでは強いカレントに引きずられそうになったり、バリのビンギンではリーフに身体を打ちつけて怪我をしたりと、怖い思いもたくさんしてきた。でも、そうした経験もすべて今の自分を支えてくれていると感じている。

海や自然は、あなたにとってどんな存在?

忙しい日々や喧騒から離れて、マインドをリセットできる場所。もちろん、太陽の下でキラキラと輝く海も大好き。でも実は一番好きなのは、曇り空の雨が降る前の薄暗い時間帯。風が吹き始めて空気が変わり、海の表情が一変するあの瞬間に、いつもワクワクしている。

あなたの生活に欠かせない3つのものは?

カメラ、海で過ごす時間、友達。

今後の夢や目標は?

自然と波長を合わせながら暮らせる、落ち着いた海辺の場所を見つけたいと思っている。今もバリが大好きだけど、オーバーツーリズムが進んでいて、どんどん変わってしまっている。だからこそ、創造的な活動ができて、サーフィンも楽しめる場所を探している。
もうひとつの夢は、サーフフィルムの制作。最近、撮影したいシナリオやロケーション、登場するサーファーたちのイメージがどんどん頭の中に浮かんできていて、いつかそれを形にできる作品を作りたいと思っている。

新しいことを始めたい人へのアドバイス

まずは、その分野で活動している人とのコネクションを作ること。そして、自分の「やりたい」を声に出していくことが大事。そうすることで、思いがけないチャンスが舞い込んできたり、理想のプロジェクトに関わる機会がやってきたりする。大切なのは、不安に負けずに動いてみること。行動すれば、自然と道は開けていくはずだから。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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