#Aina Elias

  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/31_アイナ・エリアス
  • 2026.03.30

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Aina Elias アイナ・エリアス
スペイン・カタルーニャ出身のサーファー兼フォトグラファー。現在はスリランカを拠点に、水中撮影や自然光を活かした作品を通して、ブランドやクリエイティブプロジェクトに携わりながら、自分らしい表現を追求している。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはスペインのカタルーニャ地方、海沿いのコスタ・ブラバというエリア。コンスタントに波がある場所ではないけれど、ここで11歳のときにサーフィンを始めた。子どもの頃からサーフカルチャーやその業界に憧れがあって、旅もよくしていたの。同じ頃に写真も撮り始めて、最初はGoProのようなアクションカメラで、サーフィンに行くときに友達を撮ったりしていた。私の町は緑や崖が多くて自然が豊かだから、どこへ行くにもカメラを持っていって、Instagramに投稿していたわ。そのうち「もっとちゃんとしたカメラで撮りたい」と思うようになって、家にあったカメラを両親から借りたの。そこからは本格的に、自分の好きな世界、旅やサーフィン、海のある暮らしを撮るようになった。サーフィンと写真、ふたつの情熱が自然に重なっていった感覚だわ。
基本は独学で学びつつ、ときどきワークショップなどの小さな講座にも参加していた。高校生のとき、カタルーニャでは卒業のために最終課題プロジェクトを提出する必要があって、時間も労力もかかるから、本当に興味のあるテーマを選ぼうと思って迷わず「水中撮影」を選んだの。
そんなときに南スペインで開催されていた「It’s Only Water」というクリエイティブプロジェクトのワークショップを偶然見つけた。当時は今のように大きな規模ではなく、小さなスタジオで少人数向けに活動していたから、遠くの町から来た私に主催者は驚いていたわ。座学から始まり、そのあと実際に海に入って学んでいく中で、時間も労力も忘れて夢中になっている自分に気づいたの。「これがやりたいことだ!」と心から思えた瞬間だったわ。主催者もその熱意をすごく喜んでくれて、それから連絡を取り続けるようになった。
数年後、「一緒に働かない?」と声をかけてもらって、夏にキャンプやスクールの撮影を手伝うようになった。毎日のように海に入りながら撮影して、ほかにもクリエイティブなプロジェクトに関わって、水中写真家としての基礎や現場での動き方、本当に多くのことを学んだわ。あのワークショップに参加した日が、人生を変えたきっかけだったと思っている。
そうやって少しずつ、自分のキャリアが形になっていったの。今はスリランカを拠点に、クリエイティブなプロジェクトを中心に活動している。ブランドやホテル、レストランと仕事をしているけれど、お金のためというより、本当にやりたいと思えるものだけを選ぶようにしている。写真を大切にしてくれる人たちと一緒に仕事をするのが好きで、海や自然の世界観を持つブランドと関わることが多い。

スリランカでの生活

ここでの生活は本当に心地いいわ。時間の流れがゆっくりで、サーフィンをしたり写真を撮ったりしながら、自分と同じ価値観や目標を持つ人たちとつながる。そのシンプルなことを大切にしたいと思える場所なの。
自然とクリエイティブになれるというか、無理をしなくてもアイデアが湧いてくる感覚があるわ。ローカルの人たちのシンプルな暮らしを見ていると、豊かさって物の多さじゃないんだなって気づかされるの。

サーフィンを始めたきっかけ

サーフィンを始めたのは11歳のとき。ちょうど地元にサーフスクールができたの。父は昔からウォータースポーツに関わっていて、「何か海のスポーツをやらせたい」と思っていたみたい。最初はキッズ向けのパドルサーフレースから始めたけれど、一度サーフィンを体験してからは完全にハマったわ。波はとても小さかったけれど、11歳の私たちにはそれで十分だったの。
これまでたくさん旅をしてきたけれど、一番好きなのはスリランカとスペイン南部。基本的にロングボードに乗っていて、次に行きたい場所はフィリピン。コミュニティの雰囲気やライフスタイルがきっと自分に合う気がしているの。それからメキシコやコスタリカにも行ってみたい。特にラ・サラディータやバハ・カリフォルニア。これから自分の人生がどこに連れていってくれるのか、楽しみだわ。

海、自然との関係

海にいると、すべてから切り離される感覚があるの。自分にだけ集中できる時間というか、音楽も何もない中で散歩しているときのように、自分の思考と向き合える時間。あの瞬間は、他のことは何も関係なくて、ただ「私と海」だけがある感覚だわ。サーフィンをしていると「今日はこれを練習しよう」という目標はあるけれど、同時に「今は私の時間だ」と思えるようになったの。リラックスして、余計なことを考えず、ただ波に乗る。それが最高の時間だわ。

写真、クリエイティビティのインスピレーション

雑誌がすごく好きなの。スペインの家にはここ数年で集めた雑誌のコレクションがあって、よく眺めているわ。本や雑誌を見ながら、ページに印をつけたりメモを書いたりして、そこから新しいアイデアが浮かぶことも多いの。
スリランカでスクーターに乗っているときや歩いているとき、ふと景色を見て「今カメラがあったらいい写真が撮れるのに」と思うことがある。頭の中にその写真のイメージが浮かぶ感じね。あとは、クリエイティブな人との会話からインスピレーションをもらうことも多いわ。
私の写真のスタイルは、できるだけシンプルに、ありのままを映し出すこと。自然光を使うのが好きで、海のキラキラした光や、日の出から3時間くらいのナチュラルな朝の光を大切にしている。自分の好きなものを記録する感覚で撮っているわ。できるだけリアルで、本物らしくありたいの。

今後の夢や目標

これからの数年は、写真のスキルをもっと伸ばしていきたいと思っているわ。たくさんのクリエイティブな人たちとつながって、一緒に何かを生み出していきたいの。旅をしながらブランドの仕事にももっと関わって、キャンペーン撮影やアウトドアスポーツ、サーフィン、旅など、ストーリーのある仕事に携われたら嬉しいわ。

あなたの生活に欠かせない3つのもの

1つ目はカメラ。仕事でもあるけれど、同時に情熱でもあるの。だから仕事をしていても「仕事をしている」という感覚がないことがあるくらい、大切な存在だわ。2つ目は家族と友達。いつも私を支えてくれている、今の私をつくってくれた大切な存在なの。3つ目は………たぶんスペインの食べ物ね 笑。

これから何か新しいことに挑戦したい人へのアドバイス

何が起こるかなんて誰にも分からないから、あまり考えすぎず、とにかくやってみることだと思うわ。他の国に移住したい、新しい趣味を始めたい、どんなことでも変化には大変な時期がある。でもその先には、きっと素晴らしい時間が待っているはずなの。
同じ場所にずっといたら見られない景色や経験が必ずある。そして何より大事なのは続けること。続けていけば、あとになって「あのとき動いてよかった」「続けてよかった」と思える日が必ず来るはずだから。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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