#Liah Herzer

  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/30_リア・ヘルザー
  • 2026.03.16

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Liah Herzer リア・ヘルザー
スイス・ジュネーブ出身のサーファー。現在はバイロンベイを拠点に活動している。ロングボーダーとしてコンペティションにも挑戦しながら、マーケティングエージェンシーでクリエイティブマネージャーとして働いている。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはスイスのジュネーブ。子どもの頃からスノーボード、ウィンドサーフィン、クライミング、ハイキングなど、多くのアウトドアスポーツに親しんできた。本当は幼い頃からサーフィンをしたかったけど、スイスは内陸国で海がない。だから実際に始めたのは、自由に旅行ができるようになった16〜17歳の頃。
ポルトガルのサーフキャンプに夏の間滞在したことがきっかけでサーフィンを始め、そこでオーストラリア人のサーファーたちと出会った。彼らからオーストラリアの波の素晴らしさを聞き、6年前、20歳のときにオーストラリアへ行くことを決めた。
それ以来、サーフィンに情熱を注ぎ、昨年からはコンペティションにも挑戦している。オーストラリアの老舗サーフボードブランド、Keyo Surfboardsにスポンサードしてもらえたことは大きなターニングポイントだった。それをきっかけに試合にも本格的に取り組むようになった。Noosa Festival of Surfingに出場したり、昨年はニュージーランドの大会にも招待され、今年もまた参加する予定。私にとってサーフィンは純粋な楽しさと情熱から続けているもの。Keyoは私のどんなリクエストにも応えてくれて、まさに一本一本がマジックボードだと感じている。
仕事はバイロンベイのマーケティングエージェンシーで、コンテンツマネージャー兼クリエイティブマネージャーとして働いている。水の中とはまた違う形で創造性を発揮できる仕事で、毎日がとても充実しているわ。

オーストラリア、バイロンベイでの生活

バイロンベイに初めて来た6年前、ここはすぐに「自分の居場所」だと感じた。ここで素晴らしいコミュニティに出会い、サーフィンだけでなく、クリエイティブやマーケティングのキャリアにおいても多くのチャンスに恵まれてきた。夢に向かって努力すれば、この場所は本当に多くの機会を与えてくれる、豊かで特別な場所だと思っている。
毎朝起きて海を眺め、日の出を見て、トレーニングに行く。そんな日常を送れることに、日々感謝している。バイロンは小さな町でありながら、カフェやファッションブランド、サーフィン業界、洒落たレストランなど、都市の魅力もすべて揃っている。それでいて、小さな町ならではの温かいエネルギーもある。一年を通して安定した波があることも大きな魅力で、私にとってここは特別な場所。
一日の流れは、まず朝早く起きてトレーニングに行くところから始まる。サーフィンを続けるために体を強くしておきたいし、特に肩をケガしないようにしたいから、朝のうちにトレーニングを済ませておくのが日課になっている。そのあとカフェに行き、だいたい1時か2時くらいまでマーケティングの仕事をしている。基本的にはパソコンでの仕事で、ミーティングに参加したりして頭をフル回転させる時間。2時くらいからサーフィンして、そのあとまた少し仕事をする。夕方に波があれば、もう一度サンセットサーフィン。帰宅したら、月曜日と火曜日はオンラインでマーケティングとビジネスの勉強をしている。夜10時くらいまで授業を受けているわ。勉強も仕事も自分の好きな分野だから、苦にならず続けられている。

お気に入りのサーフスポットと次に行きたい場所

バイロンでお気に入りのサーフスポットは、ワテゴスやパス。ブロークンヘッドやバックビーチのような、もう少し人の少ないサーフスポットも好き。最近はロングボードでビーチブレイクをサーフィンすることもとても楽しんでいる。ポイントブレイクとはまた違って、少しチャレンジングだから上手くなりたいという気持ちが強くなる。
まだ行ったことのない場所も多いけど、特に行ってみたいのはインドネシアのメンタワイ諸島とモルディブ。どちらもロングボーダーにとって理想的なデスティネーション! 実は、友人がメンタワイでロングボードのリトリートを開催していて、コーチの一人として参加するかもしれない。もし実現すれば、最高の経験になるわ。

海、自然との関係

スイスで育ち、幼い頃から多くのアウトドアスポーツに親しんできた私にとって、自然は「遊びに行く場所」であり、日常の雑音から離れて自分を取り戻す場所。自然の中では、本来の自分や純粋な感覚ともう一度つながることができる。
海もまた、私にとって同じような存在。よくある表現かもしれないけれど、海に入ると「今この瞬間」に意識が向く。そしてサーフィンをしていると、波が海を長い距離旅してきたエネルギーの最後のかけらだということを思い出す。そのエネルギーが崩れる直前の瞬間を、私たちはサーフィンという形で共有している。その力を受け取ることで、自分自身も大きなエネルギーをもらう感覚がある。海は私にとって、心身をリセットし、一日の疲れを流し、創造性を表現できる場所でもある。そこでは自然なフローやリズムも感じることができる。だけど、海はいつも優しいだけではない。時には荒れて、私たちに挑戦を与えることもある。だからこそ、とても謙虚な気持ちになる。自分では「今日は完璧にいける」と思っていても、大きなセットを頭からくらうこともある。さまざまな感情を経験できるからこそ、海は間違いなく、私がいちばん幸せを感じる場所。

あなたの生活に欠かせない3つのもの

まず間違いなくサーフィン。サーフィンは日常の一部で、私が幸せでいるために欠かせないも。二つ目はコミュニティ。クリエイティブで志の近い人たちとつながり、お互いに刺激を与え合い、挑戦し合える環境はとても大切。バイロンベイはその点でも特別な場所で、周りには素晴らしいことに挑戦している人が多い。自然と自分も何かを成し遂げたいという気持ちになる。三つ目は太陽。太陽の光は私にとって欠かせないもので、心身をリチャージしてくれる存在。健康の面でもとても重要で、太陽のある環境は私の生活にとって不可欠。

これから何か新しいことに挑戦したい人へのアドバイス

新しいことを始めたり、夢を追いかけてる人に伝えたいのは、「自分の夢を大切にすること」。大きな目標を前にすると、とても遠く感じたり、どうやってそこにたどり着けばいいのか分からなくなることもあると思う。でも目標を達成したときに振り返ってみると、それはただ一歩一歩積み重ねてきた結果だったと気づく。
例えば「1年後の目標」「6ヶ月後の目標」「3ヶ月後の目標」を設定する。そしてまずは、その3ヶ月の目標を到達するために、今何をすればいいのかを考える。そうやって少しずつ進んでいくことで、大きな目標に近づいていく。
そしてもう一つ大切なのは、思い切って行動すること。怖くても、まずはその世界に飛び込んでみる。さらに、自分の夢やビジョンを周りの人に話すこともとても大切だと思う。新しいビジネスやプロジェクトを始めたとき、最初に応援してくれるのは身近な人たちであることが多い。家族や友人はあなたのことを理解しているからこそ応援してくれるし、サポートしたいと思ってくれる。そこから少しずつ輪が広がり、新しいクライアントやチャンス、仕事の機会につながることもある。自分の夢について話していると、思いがけないところで「実はちょうどそういう人を探していた」と言ってもらえることもあるかもしれない。だからこそ、周りの人と自分のビジョンを共有することはとても大切だと思う。
さらに、夢を言葉にすることは、自分の現実を形づくることにもつながると感じている。いわゆる「マニフェステーション(引き寄せ)」の考え方にも近いけど、自分の望む未来を言葉にして表現することで、その現実が少しずつ形になっていくと信じている。結局のところ、夢を実現するために大切なのは「自分のビジョンを語ること」と「行動すること」。この二つが成功につながる大きな鍵だと思う。

photography_HANNAH FILEN THEO CALVET EMMA HARDY

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

TAG #####