Profile
森 温 - moriharu -
1982年兵庫県生まれ。イラストレーター、シルクスクリーン作家。2021年に種子島へ移住。自然に囲まれた暮らしや、サーフィンからインスピレーションを受けて表現をし続けている。最近はサーフボードに描いたり、漂着ごみをモチーフにするなど、形にとらわれないアートを制作。
移住前は、海や風景など目に見えるものを描くことが多かったアーティストのmoriharuさん。しかし、種子島での生活を始めると、彼女のアートは「目には見えないもの」を表現する方向へと変わった。
移住によって得た新たな視点と、五感で感じた自然の美しさを色や形で表現することへの挑戦が、彼女の作品にどのような影響を与えたのか。
移住前は海や風景など目に見えるものを描くことが多かったmoriharuさん。しかし、島での生活を始めてからは、もっと「目には見えないもの」を表現したいと思うようになったと教えてくれた。
「五感で感じた暖かさや光の煌めき、風や波のざわめき。それを色や形で表現したくなりました。たとえば、台風が来たときの風の境目。
家に打ちつける風の音で体感したのは、来るときと去るときの風向きの違い。去るときの風の方が力強いんです。
それまで風の境目を感じたことがなかったので、とても新鮮でした」
個人でのアート制作も行っているmoriharuさん。最近では、学校の先生をされている男性からボードのオーダーを受けたのだそう。
「どんなアートにするか相談したところ、“ケ・セラ・セラ”を表現したいとのお題がありました。自然の恩恵を感じているという話も聞いたので、ありのままの美しさを思い、神羅万象を描きました。
完成品をお渡ししたときの喜んでくださった顔が忘れられなくて、その方がサーフィンをするたびに私のアートも波に乗っているんだなと嬉しい気持ちになります」
moriharuさんが大切にしているのは、作家の友人の作品。兵庫の篠山で素朴な絵付けをするaikoさんの器はその一つ。
「これに、煮物などを盛り付けて食べると、ほっこりした気持ちがより深まります」
また、徳島のメロウな波模様を表現したTtravisさんのグラスも愛用していると見せてくれた。
「自然に思いを馳せながら、しっぽりとワインや日本酒を飲むのが好きなんです」
自分に合う暮らし方を見つけるには、心の奥から湧き上がる強い願いに気づくことが大切。moriharuさんのように、五感で感じたものを表現することで、自分自身の理想に近づけるかも。
日々の暮らしの中で、大切なものや人との繋がりを見つけ、それを表現することで、新しい道が開けると改めて感じた。
「SALT…Magazine #01」 ¥3,300
本誌ではmoriharuさんが種子島へ移住したエピソードも掲載!
他にも観光ファーストではない、レスポンシブル・ツーリズムとリジェネラティブ・ツーリズムの考え方を、トータル48ページにわたって特集しています。
ぜひチェックしてみてください!
photography _ Yusuke Matsuo composition _ Ayaka Takaura
今号の取材で訪れたハワイで、レジェンド・オブ・ウォーターマンとして知られるマーク・カニングハムさんにインタビューをさせていただきました。その中で語られたキーフレーズが、"Keep the COUNTRTY COUNTRY!"。この言葉は、ハワイの豊かな自然を守りたいという気持ちから生まれたもの。
ハワイは昔から観光として人気のワイキキはタウン、手付かずの自然が残るノースはカントリーと呼ばれています。そんな、ノースが昔大規模なリゾート開発の計画が持ち上がった際、「第2のワイキキのようにしたくない、カントリーはカントリーのままに!」という思いを込めて、"Keep the COUNTRTY COUNTRY!"というフレーズが誕生。そして保護活動が行われていました。
“これ以上ハワイの自然を失いたくない、ハワイらしさを守りたい……”。
このストーリーに共感した我々も、SALTはSALTらしくという思いから、タイトルを「Keep the SALT SALT」にしました。
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© SALT… Magazine All Rights Reserved.
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