海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
Profile
Teigan Woollard テイガン・ウーラード
西オーストラリア出身。現在はモルディブのリゾートで働きながら、ヨガ、サーフィンのインストラクターとして働いている。
あなたのことについて教えて
生まれも育ちも、西オーストラリアのパース。ここ数年はゴールドコーストに住んでいたけど、今はモルディブのリゾート「カンドゥーマ・フシ」で、サーフィンとヨガのインストラクターをしている。働き始めてからちょうど3ヶ月くらい経ったかな。この仕事を知ったきっかけは、たまたま見つけたオンラインの求人。応募してから6週間後にはもうモルディブにいて、自分でもそのスピード感にビックリ! でも、すべてがスムーズに運んだので、これは“行け”というサインだなと感じた。
サーフィンもヨガも、自分の「好き」を仕事にできていて、毎日が本当に楽しい。特にサーフィンは子どもの頃から大好きで、いつかサーフィンに関わる仕事をしたいと思っていた。数年前からは副業としてレッスンも始めて、少しずつ夢が形になってきた。
サーフィンを始めたきっかけは?
私が育ったパース周辺は波が小さくて、よく南のマーガレットリバーまで通ってた。子供時代は弟と一緒に海に行くのが当たりで、夢中になってサーフィンしていたのを覚えている。これまでいろんな場所を旅してきたけど、西オーストラリアの自然や透き通った海の美しさは特別。そこで育ったことを、今ではとても誇りに思っている。
ゴールドコーストでお気に入りだったポイントは、バーレーヘッズとレインボーベイ。東海岸はサーフカルチャーが発展していて、波のバリエーションも豊富、西とはまた違う魅力がある。波のコンディションによって、ロング、ツイン、ショートを使い分けるのが好きで、ロングはジョシー・プレンダーガスト、ショートはアラナ・ブランチャードのスタイルを参考にしている。
モルディブでの1日の過ごし方を教えて
朝はヨガクラスからスタート。その後はゲストを連れてサーフィンへ。1日に1〜2セッションほどレッスンがあり、日によってはサーフショップの仕事も手伝っている。仕事の日はかなりアクティブに動いているけど、オフの日はたっぷりサーフィンしたり、のんびり過ごして、しっかりリセットするようにしている。
ここモルディブはリーフブレイクのライトハンダーが魅力で、今までサーフィンしてきた中でも一番のお気に入り。次に行ってみたい場所は、スリランカとインドネシアのスンバ島。
あなたにとって「海」とは?
一言でいうと、“ホーム”。海のそばで育ったから、思い出や特別な瞬間には、いつも海があった。サーフィンしているときが、一番自分らしくいられる。海は、自分の一部みたいなもの。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
サーフボード、ヨガマット、そして大好物のピーナッツバター!
今後の夢や目標は?
今の暮らしが、まさにずっと描いていたライフスタイル。自分の「好き」を大切にしながら、心地よいエネルギーに囲まれて、海のそばで生きていけたら。それがこれからもずっと続いてくれたらいいなと思っている。
photography_Jinu Watey & Jordy Wydra
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#テイガン・ウーラード#ビーチライフ#モルディブ#連載
海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
Profile
Bella Francesca Rock ベラ・フランチェスカ・ロック
アメリカ・ピッツバーグ出身、現在28歳。バリとメンタワイ諸島を行き来しながらグラフィックデザイナー、フォトグラファーとして活動している。
あなたのことについて教えて
生まれ育ちはアメリカ・ペンシルベニア州のピッツバーグ。海から遠く離れた、田舎のファームで育った。10歳のとき父と一緒にカリフォルニアを旅行して、そのときに初めてサーフィンをした。その瞬間から海に惹かれていったのを覚えている。それから3年後、大好きだった父が亡くなり、生きる意味を見つけるのがとても難しい時期があった。でも、母がフロリダに家を買ったことがきっかけで自然の中で過ごすことが増え、サーフィンやダイビング、釣りにどんどんハマって行ったの。20歳のときにカリフォルニアに移住して、それ以来サーフィンは私の生活の一部になった。
2021年、当時付き合っていた彼とバリへの旅行を計画していたんだけど、旅のはじめに「別々の道を歩もう」と決めたの。でも、初めて訪れたバリの美しさにすっかり恋をしてしまって……。最初は数ヶ月滞在するつもりだったんだけど、気がつけばもう4年も経っている。
今はウルワツを拠点に、メンタワイ諸島を行き来しながら生活している。仕事は、大学で学んだグラフィックデザインを活かしてデザイナーをしつつ、メンタワイではフォトグラファーとして、ボートトリップに訪れるサーファーたちを撮影している。
カメラを始めたきっかけと新しいビジネス
写真はもともと趣味程度で始めたの。当時付き合っていた彼がフィルムメーカーで働いていたからカメラ機材はすべて揃っていて、遊び半分で撮り始めたのがきっかけだった。
初めて“仕事”として撮影したのは、ボートトリップ。完璧な写真を求められていたわけではなかったからプレッシャーを感じることなく、自然体で撮影することができた。その旅は、これまで何度も訪れたメンタワイの中でも一番の思い出。写真を撮る楽しさも、手つかずの自然や世界トップクラスの波を体験できたのも、すべてが今の自分につながっていると感じている。
インドネシアの波、文化、人々——この土地は、本当にたくさんのものを私に与えてくれた。そしてそれが、今の私を形づくっている。だから今度は私がこの場所に恩返しをしたいと思って、ブランドを立ち上げたの。フィンを入れるバッグなんだけど、インドネシアのローカルなバティック柄の生地を使っていて、利益の一部は地域のコミュニティに還元する予定。
海、自然との関係を言葉で表すなら?
“Mother Nature”という言葉がピッタリ当てはまると思う。その日の波のコンディションによって、毎回違う気付きや学びを得ることができる。例えば、波が大きな日には自分を謙虚にさせてくれるし、逆にあまり期待せずに行った日に限って、人生最高の1本に巡り合ったりする。自然は、自分ではコントロール出来ないということを優しく、でも力強く教えてくれる母なる存在。
お気に入りのボードとサーフスポットは?
最近は、ツインフィンに乗るのがマイブーム。小波でも楽しめるロングボードも気になっていて、中古のボードを買おうかどうかちょうど迷っているところ。
お気に入りのサーフスポットは、バリのビンギンとメンタワイ諸島のテレスコープ。どちらも何度も訪れたくなる、大好きな場所。
次はモロッコとスリランカに行ってみたい。豊かな文化に惹かれる性格だから、この2カ国はずっと行きたいと思っている憧れの場所。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
コーヒー、波、サーフボード。サーフィンがない生活は考えられないわ。
これから何か新しいことを始めたい人へのアドバイスをするとしたら?
やりたいことがあるなら、思い切って始めることかな。考えれば考えるほど障害物が出てくるから、直感で思いついたアイデアを信じてみること。
今後の夢や目標は?
今は、新しく始めるビジネスを育てていくことがひとつの目標。ビジネスといっても、あまり堅く考えているわけじゃなくて、好きなことから始めたことだから、自然な形でうまくいったらいいなって思っている。
それから、もっとインドネシアの島々を巡りたいというのも、ずっと心にある夢。ついつい波が豊富な場所にばかり足を運びがちだけど、それ以外にも手つかずの大自然が広がる島がたくさんある。そんな場所をこの目で見て、感じてみたいと思ってる。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#ビーチライフ#ベラ・フランチェスカ・ロック#メンタワイ#連載
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Ana Houpert アナ・ホウパート
フランス出身、24歳。フランス西部のオレロン島でフードトラックを経営。春から秋はオセゴーとの二拠点生活を送りながら、冬はインドネシアをはじめとするアジアのサーフスポットを旅して過ごしている。
あなたのことについて教えて
生まれも育ちもフランス北西部の、海から遠く離れた小さな街。5年前、19歳のときにオセゴー近郊の街へ移り住み、春から秋にかけてのヨーロッパのハイシーズンには、オセゴーとオレロン島を行き来している。そして冬の間は、インドネシアをはじめとする様々なアジアのサーフスポットを旅しているの。
フランスでは、アサイーボウルやコーヒーなど、サーフィンの後に手軽に食べられるヘルシーなフードやドリンクをフードトラックで販売している。この地域には、伝統的なレストランが多く、フレッシュでオーガニックな食材を使ったお店や、サーファーたちが気軽に立ち寄れるようなコミュニティスペースが少なかったことが、フードトラックを始めたきっかけだった。
また、リトリートやイベントではシェフとしても活動しており、ヘルシーなフードを提供するなど、健康的なライフスタイルを届けることを大切にしている。
サーフィンを始めたきっかけは?
サーフィンを始めたのはホセゴーに引っ越してきたのがきっかけで、今から4年くらい前。波のコンディションに合わせて、ロングボードとショートボードを使い分けるのが好きだけど、インドネシアに行くときは、バレルを求めてショートボードが中心。
インドネシアを初めて訪れたのは6年前。当時のバリは今のように開発が進んでなく、その姿を見ることができて本当にラッキーだった。そのときに目にした波や景色が忘れられなくて、昨年(2024年)はじめて一人でサーフトリップに出かけたの。今年はスンバワ島やメンタワイ諸島など、他の島々にも足を延ばし、インドネシアの自然の美しさを肌で感じることができた。波はもちろん最高で、現地の人たちもとてもフレンドリー。ますます大好きな場所になった。
特に印象的だったのが、今年メンタワイで出会ったオーストラリア出身のサーファーガールたち。ビッグウェーブに挑む姿や、ツインフィンでスタイリッシュに波を乗りこなす彼女たちの姿に、とても刺激を受けたわ。もっと旅をして、価値観の近いサーファーたちと出会いながら、自分のサーフィンのスキルを磨いていきたいという気持ちが、これまで以上に強く芽生えた。
どこで、どんな波に乗るかも大切だけど、そこで出会う人たちこそが、サーフトリップの醍醐味だと気づかされた旅だった。
海、自然との関係を言葉で表すなら?
海にいるときが、一番“安心”を感じられる時間。すべての時間がゆっくりと流れて、「今この瞬間」を心から楽しめる。特に、仕事のことで頭がいっぱいになっている日々の中で、サーフィンをしている時間は本当に大切なひととき。そして、波が大きい日やチャレンジングなコンディションの日は、自然の力が私を謙虚にしてくれる。自分の存在や日々の悩みがちっぽけに感じられて、改めて海の壮大さに圧倒される。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
サーフィン、深い繋がりを感じられる友達、そして自分と他人への愛。
これから何か新しいことを始めたい人へのアドバイスをするとしたら?
まずは、自分を信じること。そして、前向きなセルフトークを心がけることが大切。あとは、自分に厳しくなりすぎないことかな。
言葉には不思議な力があって、「私にはできない」とか「向いてないかも」といったネガティブなセルフトークは、自分の行動や気持ちにも影響してくる。
若い頃は、深く考えずについそういう言葉を口にしていたけれど、今はできるだけ、自分の背中を押してくれるような言葉を選ぶようにしている。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#アナ・ホウパート#インドネシア#ビーチライフ#連載
海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
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Carla Rosenthal カーラ・ロゼンタル
フランス・ニース出身。現在はロンボクを拠点に生活しながらサーフィン、ガールズコミュニティの運営を行っている。
あなたのことについて教えて
生まれも育ちもフランス、地中海のそばのニースという街。幼い頃から海の近くで育ったから、子どもの頃は都会でのシティライフに憧れていた。
20代になってパリに引っ越し、そこで約3年間ほど働いた。パリは世界中から人が集まる大都市でとても魅力的な場所だけど、私には合わなかったみたい。次第に海辺での暮らしが恋しくなり、仕事を辞めてインドネシアへ2ヶ月間の旅に出ることにしたの。
インドネシアでは、ストレスのない日々と毎日気軽にできるサーフィンの生活がとても心地よく、自分にぴったりだと感じた。そして、フランスへ戻る飛行機の中で「インドネシアに移住しよう!」と決めたの。住む期間も仕事も決まっていなかったけれど、不思議と“やっていける!”という根拠のない自信があって、その直感に従った。
現在は、バリ島の隣にあるロンボク島を拠点に暮らしている。ここに住む人やコミュニティはとても温かくて、道を歩けば誰かしら知っている人に会える。ひとりだけど、ひとりじゃない——そんな言葉がぴったりな場所。
そして2023年には、「SEASTERS CLUB」というガールズサーファーのコミュニティを立ち上げた。ミートアップやグループサーフィンなどを通して、仲間同士で刺激を与え合いながら活動を続けている。
サーフィンを始めたきっかけ、お気に入りのスポット、次に行きたい場所は?
実はインドネシアに来るまでは、一度もサーフィンをしたことがなかったの。「今から始めるには遅すぎるし、体力もついていかない。サーフィンはクールな人がやるものだ」って、勝手に思い込んでいたの。でも、ロンボクでは初心者もたくさん海に入っていて、みんな笑顔で楽しそうに波に乗ってる。年齢なんて関係なく、心からサーフィンを楽しんでいる人たちに出会い、私の中のサーフィンへのイメージがガラッと変わった。いまは9’4”のロングボードに乗って、すっかりサーフィンに夢中。よく行くスポットは、ロンボクの南にある「Tanjung A'an(タンジュンアン)」という場所。ライト・レフト両方の波があり、中級者向けの波が楽しめる。あと、Ekas(エカス)もお気に入りの場所のひとつ。
次に行ってみたい場所は、ハワイ、メンタワイ、そしてモルディブ。どれも夢が広がる場所ばかり!
海、自然との関係を言葉で表すなら?
最近、サーフィンは人生によく似ているなと感じるようになった。良いセッションができる日もあれば、そうじゃない日もある。だけど、その一度のセッションに一喜一憂するのではなく、人生と同じように“サイクル”を楽しむことが大切なんだと思う。
そして海は、まるで私たちの心を映す鏡。ネガティブな気持ちを抱えて海に入ると、怪我をしたり、うまく波に乗れなかったりと、不思議とよくないことが起こる。毎回海に入るたびに、そんなことをふと気づかされる。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
友達、家族、サーフィン。
今後の夢や目標は?
昔はたくさん夢があったけれど、今はあまり具体的な目標を持たないようにしている。というのも、私はつい自分にプレッシャーをかけてしまうタイプだから、今は人生もサーフィンも、ただ純粋に楽しむことをいちばんの目標にしている。もちろん、いつか成し遂げたいことはたくさんある。でも今は、「If it happens, it happens(なるようになる)」がモットーかな。そんなふうに、自然体で生きていけたらと思っている。
20歳の自分に何かアドバイスをするとしたら?
たくさんのことに挑戦して、そこから自分が好きなことや情熱を持てることを見つけるのが一番大切。そして、失敗しても自分に厳しくなりすぎない。結果よりも、その過程を楽しむことを忘れないでいて欲しい。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#カーラ・ロゼンタル#ビーチライフ#ロンボク#連載
海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
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Anna-Lena Ramminger アナ・レナ・ラミンガー
ドイツ出身26歳。現在はオーストラリア・バイロンベイを拠点にフリーランスのクリエイターとして活動している。
あなたのことについて教えて
生まれ育ちは、ドイツのウルム近くの小さな街。大学を卒業してから、ずっと「旅に出たい」という思いがあった。初めて訪れたタイで、カフェやレストランでオンラインで仕事をしている人をたくさん見かけ、それをきっかけに自分も旅をしながら働くライフスタイルが合っていると感じた。その後フリーランスでマーケティングの仕事を始めて、インドネシアのロンボクへ。ずっと夢見ていた生活が実現できてとても嬉しかったし、海の近くに住むことが自分を幸せにしてくれることにも気付いた。
ロンボクで出会った人からオーストラリアを勧められて、その後クーンズランド州のヌーサで1年過ごした。今はバイロンベイをベ拠点に、バリスタやフリーランスのフォトグラファー、ヨガのインストラクターなどをしながら生活している。インドネシアは大好きな場所だから、来年にはまた戻りたいと思っている。特にロンボクは最高の波があり、バリほど忙しくないけどおしゃれなカフェや温かいコミュニティがあって、とても気に入っている。
Annaが撮る写真はすごくシンプルだけど、見る人に何か特別な感情を与えてくれる。インスピレーションや写真を通して伝えたいことは何?
私の写真はすごくミニマルな表現が多い。日常のなにげない風景を切り取ることを大切にしていて、それは忙しい毎日の中でつい見過ごしてしまうような瞬間だったりする。特に海の風景では、太陽が水面に反射する煌めきや、波の質感を表現することを意識している。余計な色やノイズを加えず、最小限の編集でその瞬間にある美しさをそのまま伝えることを目指している。
サーフィンを始めたきっかけ、お気に入りのスポット、次に行きたい場所は?
ドイツにいた頃からサーフィンを始めていたけど、実際にサーフィンができるのは年に2週間のホリデー期間だけだった。そのためなかなか上達せず、「いつか海の近くに住みたい」という思いが強くなった。
2023年にロンボクに数ヶ月滞在したことで、ようやくサーフィンのリズムを掴むことができ、今では毎日サーフィンができる生活を送っている。バイロンベイ周辺でお気に入りのスポットは、パス、ワテゴス、レノックス。ヌーサのTea Tree Bayも、大好きなロングボードスポット。次に行きたい場所は、メンタワイとタヒチ。
海、自然との関係を言葉で表すなら?
海で過ごす時間は、まるで瞑想やセラピーのよう。「今、この瞬間を楽しむ」ことができ、どんな感情も洗い流してくれる。日常生活では常にデバイスを持ち、人とつながることが簡単になったけれど、目の前の景色や会話に100%集中できていないのも事実。でも海の中では、波待ちをしながら隣のサーファーと話したり、海から見える景色を思う存分楽しむことができる。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
波、旅行、家族のようなコミュニティ。
今後の夢や目標は?
今後は、自分の人生を築いていける「ベース」を見つけたい。旅をすることは大好きだけど、いつか「ホーム」と呼べる場所に落ち着きたいと思っている。また、毎日サーフィンを続けながら、フリーランスとしてしっかり独立できるよう、今後数年間は自分のスキルアップとコネクションを築くことに力を入れていきたい。
何か新しいことを始めたい人へアドバイスをするとしたら?
何かやりたいことがあれば、思い切って始めてみること。そして、「失敗しても大丈夫」と自分に言い聞かせることも大切。住む場所やキャリアなど、変化があると最初は居心地が悪く感じるかもしれないけれど、変化があるからこそ、新しい面白いことが生まれることもある。それを楽しめるようになれば、怖いものなんて何もないと思う。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#アナ・レナ・ラミンガー#バイロンベイ#ビーチライフ#連載
海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
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Kristin Elena Clark クリスティン・エレナ・クラーク
アメリカ出身、インドネシア・バリ在住のサーファー、モデル。現在はウルワツのそばで家族4人で暮らしている。
あなたのことについて教えて
生まれはパキスタンで、幼い頃から両親の仕事の関係でジャカルタやケニアなど、さまざまな都市を転々としてきた。最終的にアメリカ・オレゴン州に落ち着き、20歳までそこで過ごしていた。大学を中退してワーキングホリデーでオーストラリアへ渡り、バイロンベイやボンダイエリアで暮らすことに。距離が近いこともあり、その頃からバリに頻繁に訪れるようになった。2016年、母がバリに家を建てたのをきっかけに、私もバリに移住を決意したの。
バリで現在の夫に出会い、今は1歳半と5歳の息子たちとウルワツで暮らしている。子育てしながら、たまにモデルの仕事も。10年前のウルワツは、地元のご飯屋さんが数軒あるだけの小さなサーフタウンだったけど、今ではジムやサウナ、おしゃれなカフェが増え、若いママたちの姿もよく見かけるようになった。
バリでの子育ては良い面と悪い面もあるけど、私は海のそばで、素晴らしいサーファーたちに囲まれながら、のびのびと子どもを育てられていることに感謝している。
サーフィンを始めたきっかけ、お気に入りのスポット、次に行きたい場所は?
約8年前、初めてサーフィンをしたのは意外にもベトナムだった。その経験がきっかけでサーフィンに夢中になり、オーストラリアやバリでは、時間があればとにかく海へ向かっていた。お気に入りのスポットはウルワツの「Temples」。メインのピークより少し先にあるこのポイントには、良いスウェルが入るとプロサーファーたちも集まり、バレルのセッションになることも。顔なじみのメンバーも多く、雰囲気も最高。ここへ行けば、海の中で仲間たちとキャッチアップできるのも楽しみのひとつ。
次に訪れたい場所は、インドネシアの離島とモロッコ。
子どもが生まれてからは、サーフィンが私の生活にとってこれまで以上に欠かせないものになった。手が空いた時間を見つけて、潮の満ち引きやスウェルに合わせながらベストなスポットを選び、海へ向かう。そこで過ごす時間は、まさに私だけのひととき。日常の出来事を少しだけ忘れて、“今この瞬間”を心から楽しむことができる。
子どもたちも海が大好きで、周りの友達にもサーファーが多いから、自然な流れでサーフィンを始めてくれたら嬉しいな。いつか、一緒にラインナップに並ぶ日が来るのを楽しみにしている!
海、自然との関係を言葉で表すなら?
帰る場所。多くのサーファーにとってそうであるように、私も数日間海に入らないと、どこか物足りなさを感じる。「海に帰らなきゃ! 海に戻りたい!」そんな思いが日常的によく湧き上がる。今一緒に時間を過ごしている友達も、みんな海を通じて出会った大切でクールな仲間たち。サーフィンがすべてをつなげてくれて、これなしの生活なんて考えられない。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
サーフィン、家族、美味しい食べ物!
20歳の頃の自分に、何かアドバイスをするとしたら?
30歳になった今、これまでの自分を振り返ると、特に計画を立てずに思うままに生きてきた。でも、その中にはいつも明確な意図があった。そして気づけば、欲しいものや住みたい場所、理想のライフスタイルが自然と実現していた。「何かやりたい!」と情熱が湧いたときこそ、そのエネルギーに従うのが一番だと思う。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
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