#パトリシア・ピサンマ

  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/24_パトリシア・ピサンマ
  • 2025.10.21

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Patricia Phithamma パトリシア・ピサンマ
ハワイ生まれサンディエゴ在住。機能性とデザインを兼ね備えたスイムウエアブランド「Tan Madonnas」を立ち上げ、海を愛するすべてのアクティブな女性たちに向けて発信している。

あなたのことについて教えて

生まれはハワイのオアフ島。6歳のときにアメリカ本土のワシントン州へ引っ越したけれど、それ以降も頻繁にハワイには戻っていた。父がサーファーだったこともあって、幼い頃から海で過ごす時間が大好き。いつか自分もあんなふうにサーフィンができたら──とずっと憧れていた。
高校を卒業した8年前、カリフォルニアのサンディエゴにへ移り住み、今もここを拠点に生活している。サンディエゴは、サーフィンとアメリカのカルチャーがバランスよく混ざり合う、とてもクールなサーフタウン。サーフィンを本格的に始めたのも、この街に引っ越してきてから。
お気に入りのサーフスポットは地元のラホヤ。特別に波がいいわけではないけれど、海に行けば必ず友達に会える。その“ホーム感”がたまらなく好き。
そして、世界で最もパーフェクトな波がある──インドネシアのメンタワイ諸島。あそこは本当に特別だと思う。
次に行きたい場所はモルディブ。楽しそうなライトの波がたくさんあるし、サーフィン以外にもできるアクティビティが充実してるから、近々行きたいと思っている。

ブランドを始めたきっかけ

スイムウエアブランド 「Tan Madonnas」を立ち上げたのは2022年。海の中でもしっかりホールドしてくれるビキニ、そしてアクティブウエアとしても着られるデザイン性のあるビキニをずっと探していたけれど、なかなか“これだ”と思えるものに出合えなかった。それに、サンディエゴ発のブランドって意外と少なくて、だったら、自分で作ってみよう! と思ったのがきっかけ。最初は試行錯誤の連続だったけど、今ではブランドの方向性も明確になり、どんなデザインを展開していきたいかもクリアになってきた。やっと軌道に乗ってきたなって感じている。
「Tan Madonnas」を着た女の子たちがサーフィンやスケートをしている写真を見ると、「本当に作ってよかった」と心から思う。これからの目標は、もっと多くの人に手に取ってもらうこと。そして、アクティブでクールなガールズたちが繋がれるコミュニティや、サーフトリップなども企画していきたいと思っている。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

海のない生活は考えられない。仕事で行き詰まったとき、リフレッシュするためにパドルアウトして、思いがけずいい波に乗れた瞬間に、ムードが一気に変わったりする。サーフィンをしていなかったら行かなかったような場所にも行くようになったし、海以外では出会えないような面白い人たちにも出会えた。いい意味で、サーフィンは人生を変えてくれたと思う。
他のスポーツや趣味と違って、サーフィンには終わりがない。長く続けているからといって必ず上手くなるわけじゃないし、ひとつの技を習得するのに何年もかかることもある。それに気づいたとき、焦らず自分のペースで続けようと思えた。サーフィンは私の人生の一部だし、これからもずっと人生の基盤であり続けると思っている。

あなたの生活に欠かせない3つのものは?

ビーチサロン、サーフボード、そしてもうひとつはすごくランダムだけど——アイブロウペンシル!


何か新しいことを始めたい人へのアドバイス

何かを始めるときに、すべてが揃うまで待たなくてもいいと思う。まずは始めてみて、そこから試行錯誤を重ねればいい。完璧なタイミングなんてないと思う。
そして、ときにはプロの力を借りることも大切。ウェブサイトを作ってもらったり、デザイナーに相談したり。自分では気づけない視点を持っている人たちから、学べることって本当にたくさんあるから。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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