#サーフィンフォトグラファー

  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/39_ステファニー・バード
  • 2026.09.24

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Stephanie Baird ステファニー・バード
オーストリア出身のフォトグラファー。水中写真に魅了され、以来、ジンベエザメやマンタ、サーファーたちを海中で撮り続けている。現在はハワイとインドネシアを拠点に、サーフィンと写真を軸としながら、女性向けのサーフリトリートも主催している。

あなたのことについて教えて

オーストリアで生まれ、スペイン、ドイツ、アメリカなど、小さい頃からいろいろな国で暮らしてきた。18歳の頃にロンドンへ行き、もともとは演技を勉強するつもりだったけど、フォトグラフィーを学ぶようになって、ファッションやトラディショナルな写真を撮るようになった。それから5年ほどロンドンで過ごし、その後オーストラリアへ。オーストラリアでは西海岸を旅し、パースからさらに北にあるコーラルベイという小さな町にたどり着いた。ニンガルーリーフの近くにある場所で、そこで私はすっかりマリンライフ、そして海が近くにある生活に恋をした。
オーストラリアではボートで働きながら、ジンベエザメやマンタ、タイガーシャークなどの水中写真を撮るようになった。その後、東南アジアを6カ月ほど旅して、再びオーストラリアへ戻り、ビザが切れたタイミングでハワイへ移住。そこで本格的にサーフィンを始めたの。
今はハワイとインドネシアを拠点に、サーフィンと写真を軸としながら、女の子たちのサーフリトリートを運営している。リトリートを始めたのは2年半くらい前。インドネシアのメンタワイでガールズサーファーたちと出会って、当時は今ほど女の子が多くなかったから、海で女の子を見かけるだけで「女の子たちだけでこんなところに来てるの、最高じゃない?」って話していた。そこから始まって、今は初心者向けのリトリートを開催している。これからは初心者向けだけじゃなく、もう少しレベルの高い女の子たちに向けた、プログレッション系のサーフトリップもやっていたいと思っている。

写真、サーフィンを始めたきっかけは?

もともと写真は好きだったけど、本格的に興味を持つようになったのは、オーストラリアのコーラルベイにいた頃。マンタと一緒に泳ぐ女の子たちを水中でアーティスティックに撮って、それを見たときに「これってすごく面白い」と思った。そこから水中写真にどんどん惹かれていった。その後はハワイでウェディングを撮ったり、ブランドの撮影をしたり、いろんな仕事をしてきたけど、水中撮影ほど楽しいものはないと思う。
実は、サーフィンをするようになる前から、海の中でサーファーを撮っていた。特にハワイ・ノースショアにいた頃は、サーフィンのカルチャーの中に入りたかった。でも、そこにはフォトグラファーにもある種のヒエラルキーがあって、誰でも簡単にその輪の中に入れるわけではなかった。だから、自分で海に泳いで出て、撮影するように。頻繁に通って撮り続けているうちに、少しずつその世界に入らせてもらえるようになった。
初めて行ったときは友達に連れて行ってもらって、どうやって入って、どうやって出るのかを一から教えてもらった。その1年後、今度は一人で泳いで出た。その日はかなり大きくて、ダブルオーバーヘッドくらい。パイプラインで写真を撮る女性は多くないから、「一人でここまで来たんだ」と思えて、パイプラインは私の中で特別な場所になった。それからビッグウェーブサーファーたちと仲良くなって、ジェットスキーから撮影するようにもなった。波を追いながら、後ろを振り返ったらトリプルオーバーヘッドの波が来ていて、それを見た瞬間「やばい!」って思ったけど、そこから来るアドレナリンは言葉では説明できないわ。
サーフィン中も似たようなことが起きる。自分のレベルより少し上のサイズの波になると、全神経を使って目の前のセット、波、状況に集中しなきゃいけない。日常で起こっていることや、仕事のこと、人生のことなんて考える暇がないほど、「今、ここにいること」が求められる。だから私は、少しチャレンジングなサイズや、簡単じゃないスポットが好きなんだと思う。

海、自然との関係を言葉で表すなら

海のそばにいないと、ちょっとおかしくなる。それくらい私にとって欠かせないもの。最近よく考えるんだけど、海に行けない日って、一日何をして過ごしているんだろうって。もちろん他にもやることはあるんだけど、外にいること、自然の中にいること自体が、私にとってすごく大切なんだと思う。もちろん「サーフィンが私そのもの」とは言いたくない。自分の幸せを全部サーフィンに依存したくないから。でも、サーフィンができない期間があると、100%自分らしくない感じがする。だから、海に入ることと、身体を動かすこと、外にいること。その全部が、自分を自分に戻してくれるんだと思う。
サーフィンは、フィジカルだけじゃなく考え方にも影響している。特にリトリートでは、サーフィンを始めたばかりの人たちに、マインドセットについてよく話をする。サーフィンって、実は“サーフィン”だけじゃないんだってこと。波に乗ること自体は10%くらいで、残りの90%は波を読むことだったり、水の動きを理解することだったり、人との関係だったり、自分自身との向き合い方だったりする。
サーフィンは、自分がどういうふうに自分に話しかけているかを、そのまま映し出してくれる。結局、人生もサーフィンも、「全部わかっている必要はない。次の一歩に必要なことだけ知っていればいい」んだと思う。

今後の夢や目標

今運営しているサーフリトリートを成長させたい。コミュニティ、サーフィンの上達、自分に合ったレベルのガールズサーファーをつなげることにフォーカスして、世界各国のサーフスポットでトリップを開催できたらいいなと思っている。
そして、パートナーともたくさんサーフトリップに行きたい。まだ行ったことのない場所で、できるだけたくさんサーフィンしたい。特に、アイスランドは行ってみたい国の一つ。寒い場所でサーフィンすることに挑戦してみたくて、昔『Under an Arctic Sky』を観たとき、その世界観に惹かれた。真冬のアイスランドの人里離れた場所へ、完璧な波を求めて旅するサーファーたちのドキュメンタリー。数日経った頃、数十年に一度ともいわれる猛烈な嵐が襲来し、彼らの旅は命を懸けたサバイバルへと変わっていくんだけど、いつかあの世界に行って、自分の目でその景色を見るのが夢になった。

あなたの生活に欠かせない3つのもの

1つ目はもちろん、サーフィン。それから、成長すること。私は成長することに、ちょっと中毒なんだと思う。いつも何か新しいことを学んだり、自分が成長できる何かが必要。一番つらいのは、停滞すること。快適だからという理由だけで、同じ場所にずっといること。それから、自然。外にいる時間が何よりも必要。

これから何か新しいことを始めたい人へのアドバイス

ためらわず、まずはやってみること。自分の心に従って、自分を幸せにしてくれるもの、ワクワクするものを見つけてほしい。怖さを感じる瞬間を恐れないでほしい。サーフィンを通して学んだのは、怖いと感じることは、「危険だからやめろ」というサインとは限らないということ。むしろ、「自分は今、生きている」と感じる瞬間でもある。だから不安を感じたら、「怖い」ではなく、「自分は今、生きている」と考えるようにしている。もちろん、無謀になれということではないけれど、恐怖だけを理由に、自分の人生を小さくしてほしくない。
人は、安心できる場所に留まろうとするもの。でも、成長するのはいつも、少しだけ居心地の悪い場所に出たとき。だから、ワクワクするけど、ちょっと怖い。そんなものを追いかけてみてほしい。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/11_マルガリータ・サルヤック
  • 2024.12.23

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Margarita Salyak イネス・マリア・カラチェド
ロシア出身の水中フォトグラファー/アーティスト。インドネシアを拠点に、メンタワイやハワイで世界中のサーファーをカメラに収める。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはロシアのモスクワ。幼い頃からアートに興味があって、大学でもアートを専攻していた。在学中のプロジェクトがひと段落した頃、6ヶ月の休暇を使って初めてバリを訪れたのが19歳のとき。サーフィンやライフスタイルなどその全てが私の理想で、ここに長く滞在したいと思った。そのために仕事を探していたとき、メンタワイでサーフィンフォトグラファーとして働く機会をもらった。今までイベントやファッションの撮影経験はあったけど水中カメラは触ったことがなく、それに当時(10年前)のインドネシアは今では想像できないほど手付かずの状態で、メンタワイを知っている人も少なかった。
ただただ海・サーフィンが好きで、どうにかしてインドネシアに滞在したくて、“Yes”と答えて片道切符でメンタワイへ向かった。水中撮影ができるハウジングなどのカメラギアも揃え、一日のほとんどの時間を海の中で過ごした。当時20歳だったけど不安はあまりなくて、最高の波がある場所で思う存分学び、今後に生かせるよう経験を積むことが純粋に嬉しかった。
撮影中に怖い経験もたくさんした。ハワイのパイプラインで撮影していた時、いきなり天気が嵐のように変わり、強いカレントのせいでビーチに戻ることが出来なかった。波もかなり大きかったから、とても怖かったのを覚えてる。

サーフィンを始めたきっかけとお気に入りのスポットは?

インドネシアにはもう10年以上住んでいるけど、サーフィンを本格的に始めたのは4年くらい前。パンデミックで観光客がいなくなった海に毎日入り、そのお陰でだいぶ自信がついた。それまではメンタワイとハワイを行き来しながら生活していて、どちらも初心者には難しい波だった。だから撮影に専念して、キャリアを築いていた。
お気に入りのサーフスポットはやっぱりメンタワイ。最高の波で地球の楽園のような場所。次に行きたい場所はタヒチと日本!

海、自然との関係を言葉で表すなら?

私のライフスタイルと自然は密接に繋がっている。仕事も私生活も海があるからこそ成り立っていて、考え事や不安なことがある時は、いつも海へ戻るようにしている。サーフィンでもビーチを散歩するだけでも、自然の中にいることが私を謙虚にさせてくれる。

あなたの生活に欠かせない3つのものは?

海(サーフィン)、友達と家族、あとは大好きなチョコレートかな。

何か新しいことを始めたい人へのアドバイスを

やると決めたら、その直感を信じてとにかく行動すること! 不安や迷い、失敗したら……と考えることもあるかもしれないけど、やってみないと分からないこともたくさんあるから。その過程で出会う人々や、新たなコネクションもきっとあるはず。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/06_エゼキール・ザカーディ
  • 2024.09.30

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Ezequiel Zaccardi エゼキール・ザカーディ
アルゼンチン出身の水中フォトグラファー。カメラを片手に世界中を旅しながら、現在はバリとメンタワイを行き来しながら生活している。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはアルゼンチで、海から離れたコルドバという場所で育った。15歳の頃からブラジルに通い始め、1ヶ月ほど滞在しながらサーフィンをしていた。本格的にサーフィンにのめり込んだのは、オーストラリアに引っ越してから。それと同時に水中でライディング撮影も始め、それを仕事にしたいという思いが強くなった。

幼い頃から写真を撮るのが好きだったからカメラの基本的な知識は頭に入っていたし、当時住んでいたバイロンベイにはクリエイティブなコミュニティがあって、実際に学ぶ機会もあった。また、レジェンドシェイパーのボブ・マクタビッシュと働いたり、多くのサーファーとコネクションを築き、経験も積むことが出来た。その後数カ国旅した後、バリに住むことに決めた。世界中からサーファーが集まるこの場所は、チャンスが無限大にある。長年の夢だったメンタワイで撮影したり、リップカールが冠のパダンパダンカップを撮影するなど、自分のキャリアを成長させる最高の場所。

お気に入りのサーフスポットは?

メンタワイ! これまで世界中色んな場所に行ったけど、メンタワイほど完璧にそしてコンスタントに波がある場所は他にはない。景色も手つかずの自然もすべてが夢のような場所。

次に行きたいのはフィジーとハワイ。波もロケーションも良い話をたくさん聞いているから、近いうちに絶対行ってみたい。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

海に入っていると、自分はその一部になっている。昨年、4ヶ月間毎日海で撮影していた時期があって、海への感謝やリスペクトはもちろんのこと、自分を謙虚にさせてくれた。海のことを理解していないと大怪我をすることもあるけど、良い波や良いショットのためにリスクを負うことも必要。仕事をする場所でもあり、子供の頃に感じた純粋な“好き”や”喜び”を、大人になっても感じさせてくれる場所。

今後の夢や目標は?

インドネシアでサーフフィルムを作りたいと思っている。プロサーファーの映像は世の中にたくさんあるけど、私はサーフィンのルーツや本質をフィーチャーしたいと思っている。波をシェアし、目の前に来た波を心の底から楽しむ。クールでスタイリッシュなサーファーと一緒に波を追いかけながら、そのときに去来する感情や高揚感を、美しい映像と共に伝えたい。

あなたの人生に欠かせない3つのものは?

仕事道具でもあり遊び道具にもなるカメラ、そして海と人々への愛。

何か新しいことを始めたいと思っている人にアドバイスを

今の時代、やりたいと思ったことは行動すれば何でもできる。お金のためではなく、情熱をもってやれば必ず結果はついてくる。行き詰まったときは、少し環境を変えてみれば新しいエネルギーが入ってくる。世界は広いようで意外と狭いもの。常にオープンなマインドでいれば、宇宙が繋がりたい人と出会わせてくれると信じている。


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 12人のサーフィン・フォトグラファーによるオリジナルカレンダー
  • 2024.04.17

創刊に合わせてオリジナルのアイテムを2つ制作しましたが、その1つが4月始まりのカレンダーです。日本を代表する12人のサーフィン・フォトグラファーの写真と玉が別々にセットされているので、その日(週、月)の気分で変えられる仕様です。
また、使用しないときはポスターとして飾ることも可能。こちらの商品は数量限定・ECのみでの販売となりますのでお早めにお求めください。


◆カレンダー:2024年4月〜2025年3月
◆セット内容:写真12枚、玉(カレンダー)12枚、セット用クリップ
◆サイズ:カレンダー(297mm×210mm)、写真部分(297mm×172mm)
◆フォトグラファー:MACHIO|三浦安間|笹尾和義|u-ske|高波邦行|横山泰介|Nachos|芝田満之|熊野淳司|Pero|木頃裕介|CHAR

タイトル:2024/2025 Calendar -12 Surfing Photographer-
発売日:2024年4月15日
価 格:税込¥4,400

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