海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
Profile
Carla Rosenthal カーラ・ロゼンタル
フランス・ニース出身。現在はロンボクを拠点に生活しながらサーフィン、ガールズコミュニティの運営を行っている。
あなたのことについて教えて
生まれも育ちもフランス、地中海のそばのニースという街。幼い頃から海の近くで育ったから、子どもの頃は都会でのシティライフに憧れていた。
20代になってパリに引っ越し、そこで約3年間ほど働いた。パリは世界中から人が集まる大都市でとても魅力的な場所だけど、私には合わなかったみたい。次第に海辺での暮らしが恋しくなり、仕事を辞めてインドネシアへ2ヶ月間の旅に出ることにしたの。
インドネシアでは、ストレスのない日々と毎日気軽にできるサーフィンの生活がとても心地よく、自分にぴったりだと感じた。そして、フランスへ戻る飛行機の中で「インドネシアに移住しよう!」と決めたの。住む期間も仕事も決まっていなかったけれど、不思議と“やっていける!”という根拠のない自信があって、その直感に従った。
現在は、バリ島の隣にあるロンボク島を拠点に暮らしている。ここに住む人やコミュニティはとても温かくて、道を歩けば誰かしら知っている人に会える。ひとりだけど、ひとりじゃない——そんな言葉がぴったりな場所。
そして2023年には、「SEASTERS CLUB」というガールズサーファーのコミュニティを立ち上げた。ミートアップやグループサーフィンなどを通して、仲間同士で刺激を与え合いながら活動を続けている。
サーフィンを始めたきっかけ、お気に入りのスポット、次に行きたい場所は?
実はインドネシアに来るまでは、一度もサーフィンをしたことがなかったの。「今から始めるには遅すぎるし、体力もついていかない。サーフィンはクールな人がやるものだ」って、勝手に思い込んでいたの。でも、ロンボクでは初心者もたくさん海に入っていて、みんな笑顔で楽しそうに波に乗ってる。年齢なんて関係なく、心からサーフィンを楽しんでいる人たちに出会い、私の中のサーフィンへのイメージがガラッと変わった。いまは9’4”のロングボードに乗って、すっかりサーフィンに夢中。よく行くスポットは、ロンボクの南にある「Tanjung A'an(タンジュンアン)」という場所。ライト・レフト両方の波があり、中級者向けの波が楽しめる。あと、Ekas(エカス)もお気に入りの場所のひとつ。
次に行ってみたい場所は、ハワイ、メンタワイ、そしてモルディブ。どれも夢が広がる場所ばかり!
海、自然との関係を言葉で表すなら?
最近、サーフィンは人生によく似ているなと感じるようになった。良いセッションができる日もあれば、そうじゃない日もある。だけど、その一度のセッションに一喜一憂するのではなく、人生と同じように“サイクル”を楽しむことが大切なんだと思う。
そして海は、まるで私たちの心を映す鏡。ネガティブな気持ちを抱えて海に入ると、怪我をしたり、うまく波に乗れなかったりと、不思議とよくないことが起こる。毎回海に入るたびに、そんなことをふと気づかされる。
あなたの生活に欠かせない3つのものは?
友達、家族、サーフィン。
今後の夢や目標は?
昔はたくさん夢があったけれど、今はあまり具体的な目標を持たないようにしている。というのも、私はつい自分にプレッシャーをかけてしまうタイプだから、今は人生もサーフィンも、ただ純粋に楽しむことをいちばんの目標にしている。もちろん、いつか成し遂げたいことはたくさんある。でも今は、「If it happens, it happens(なるようになる)」がモットーかな。そんなふうに、自然体で生きていけたらと思っている。
20歳の自分に何かアドバイスをするとしたら?
たくさんのことに挑戦して、そこから自分が好きなことや情熱を持てることを見つけるのが一番大切。そして、失敗しても自分に厳しくなりすぎない。結果よりも、その過程を楽しむことを忘れないでいて欲しい。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram
TAG #Ocean People#カーラ・ロゼンタル#ビーチライフ#ロンボク#連載
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