#インドネシア

  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/17_アナ・ホウパート
  • 2025.05.12

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Ana Houpert アナ・ホウパート
フランス出身、24歳。フランス西部のオレロン島でフードトラックを経営。春から秋はオセゴーとの二拠点生活を送りながら、冬はインドネシアをはじめとするアジアのサーフスポットを旅して過ごしている。

あなたのことについて教えて

生まれも育ちもフランス北西部の、海から遠く離れた小さな街。5年前、19歳のときにオセゴー近郊の街へ移り住み、春から秋にかけてのヨーロッパのハイシーズンには、オセゴーとオレロン島を行き来している。そして冬の間は、インドネシアをはじめとする様々なアジアのサーフスポットを旅しているの。
フランスでは、アサイーボウルやコーヒーなど、サーフィンの後に手軽に食べられるヘルシーなフードやドリンクをフードトラックで販売している。この地域には、伝統的なレストランが多く、フレッシュでオーガニックな食材を使ったお店や、サーファーたちが気軽に立ち寄れるようなコミュニティスペースが少なかったことが、フードトラックを始めたきっかけだった。
また、リトリートやイベントではシェフとしても活動しており、ヘルシーなフードを提供するなど、健康的なライフスタイルを届けることを大切にしている。

サーフィンを始めたきっかけは?

サーフィンを始めたのはホセゴーに引っ越してきたのがきっかけで、今から4年くらい前。波のコンディションに合わせて、ロングボードとショートボードを使い分けるのが好きだけど、インドネシアに行くときは、バレルを求めてショートボードが中心。
インドネシアを初めて訪れたのは6年前。当時のバリは今のように開発が進んでなく、その姿を見ることができて本当にラッキーだった。そのときに目にした波や景色が忘れられなくて、昨年(2024年)はじめて一人でサーフトリップに出かけたの。今年はスンバワ島やメンタワイ諸島など、他の島々にも足を延ばし、インドネシアの自然の美しさを肌で感じることができた。波はもちろん最高で、現地の人たちもとてもフレンドリー。ますます大好きな場所になった。
特に印象的だったのが、今年メンタワイで出会ったオーストラリア出身のサーファーガールたち。ビッグウェーブに挑む姿や、ツインフィンでスタイリッシュに波を乗りこなす彼女たちの姿に、とても刺激を受けたわ。もっと旅をして、価値観の近いサーファーたちと出会いながら、自分のサーフィンのスキルを磨いていきたいという気持ちが、これまで以上に強く芽生えた。
どこで、どんな波に乗るかも大切だけど、そこで出会う人たちこそが、サーフトリップの醍醐味だと気づかされた旅だった。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

海にいるときが、一番“安心”を感じられる時間。すべての時間がゆっくりと流れて、「今この瞬間」を心から楽しめる。特に、仕事のことで頭がいっぱいになっている日々の中で、サーフィンをしている時間は本当に大切なひととき。そして、波が大きい日やチャレンジングなコンディションの日は、自然の力が私を謙虚にしてくれる。自分の存在や日々の悩みがちっぽけに感じられて、改めて海の壮大さに圧倒される。

あなたの生活に欠かせない3つのものは?

サーフィン、深い繋がりを感じられる友達、そして自分と他人への愛。

これから何か新しいことを始めたい人へのアドバイスをするとしたら?

まずは、自分を信じること。そして、前向きなセルフトークを心がけることが大切。あとは、自分に厳しくなりすぎないことかな。
言葉には不思議な力があって、「私にはできない」とか「向いてないかも」といったネガティブなセルフトークは、自分の行動や気持ちにも影響してくる。
若い頃は、深く考えずについそういう言葉を口にしていたけれど、今はできるだけ、自分の背中を押してくれるような言葉を選ぶようにしている。

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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