海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。
Profile
Ezequiel Zaccardi エゼキール・ザカーディ
アルゼンチン出身の水中フォトグラファー。カメラを片手に世界中を旅しながら、現在はバリとメンタワイを行き来しながら生活している。
あなたのことについて教えて
生まれ育ちはアルゼンチで、海から離れたコルドバという場所で育った。15歳の頃からブラジルに通い始め、1ヶ月ほど滞在しながらサーフィンをしていた。本格的にサーフィンにのめり込んだのは、オーストラリアに引っ越してから。それと同時に水中でライディング撮影も始め、それを仕事にしたいという思いが強くなった。
幼い頃から写真を撮るのが好きだったからカメラの基本的な知識は頭に入っていたし、当時住んでいたバイロンベイにはクリエイティブなコミュニティがあって、実際に学ぶ機会もあった。また、レジェンドシェイパーのボブ・マクタビッシュと働いたり、多くのサーファーとコネクションを築き、経験も積むことが出来た。その後数カ国旅した後、バリに住むことに決めた。世界中からサーファーが集まるこの場所は、チャンスが無限大にある。長年の夢だったメンタワイで撮影したり、リップカールが冠のパダンパダンカップを撮影するなど、自分のキャリアを成長させる最高の場所。
お気に入りのサーフスポットは?
メンタワイ! これまで世界中色んな場所に行ったけど、メンタワイほど完璧にそしてコンスタントに波がある場所は他にはない。景色も手つかずの自然もすべてが夢のような場所。
次に行きたいのはフィジーとハワイ。波もロケーションも良い話をたくさん聞いているから、近いうちに絶対行ってみたい。
海、自然との関係を言葉で表すなら?
海に入っていると、自分はその一部になっている。昨年、4ヶ月間毎日海で撮影していた時期があって、海への感謝やリスペクトはもちろんのこと、自分を謙虚にさせてくれた。海のことを理解していないと大怪我をすることもあるけど、良い波や良いショットのためにリスクを負うことも必要。仕事をする場所でもあり、子供の頃に感じた純粋な“好き”や”喜び”を、大人になっても感じさせてくれる場所。
今後の夢や目標は?
インドネシアでサーフフィルムを作りたいと思っている。プロサーファーの映像は世の中にたくさんあるけど、私はサーフィンのルーツや本質をフィーチャーしたいと思っている。波をシェアし、目の前に来た波を心の底から楽しむ。クールでスタイリッシュなサーファーと一緒に波を追いかけながら、そのときに去来する感情や高揚感を、美しい映像と共に伝えたい。
あなたの人生に欠かせない3つのものは?
仕事道具でもあり遊び道具にもなるカメラ、そして海と人々への愛。
何か新しいことを始めたいと思っている人にアドバイスを
今の時代、やりたいと思ったことは行動すれば何でもできる。お金のためではなく、情熱をもってやれば必ず結果はついてくる。行き詰まったときは、少し環境を変えてみれば新しいエネルギーが入ってくる。世界は広いようで意外と狭いもの。常にオープンなマインドでいれば、宇宙が繋がりたい人と出会わせてくれると信じている。
text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram