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SALT Magazine - Surf&Beach Life Style Magazine -

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海と共にある暮らしを、新しい価値観でニューノーマル=オルタナティブなライフスタイルを海をフィールドとして、新しい価値観で伝えていくメディアです。

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林芳史

カリーナ・ロズンコが再来日。湘南・藤沢で「JULY × SEAKONG Party」が開催

2026.5.28. by 林芳史

5月23日(土)、湘南・藤沢で、JULY WETSUITSのコミュニティメンバーであるカリーナ・ロズンコを中心としたLADIES NIGHT「JULY × SEAKONG Party」が開催された。
カリーナは、2024年夏に行われたJULY WETSUITSのローンチパーティー以来、約2年ぶりの来日。カリフォルニア出身の彼女は、プロサーファーとしてサーフトリップのシューティングやコンテストなどで一年の大半を海外で過ごしているが、なかでも日本は特にお気に入りの場所だという。
今回は、静岡県浜松市でWSL(World Surf League)と併催されたビーチカルチャーイベント「濤祭」の“CSIE Invitational Surf Gathering”への参加のため、待望の再来日。その後、湘南でレディスサーファーたちと交流し、同じ時間を共有する特別なひとときとなった。

トークショーでは、SEAKONGのライダーである間瀬侑良夏をゲストに迎え、サーフィンとの関わりや、自身のライフスタイル、ファッションへのこだわりについて質疑応答を行った。現在、世界のロングボードシーンにおいて、女性らしい優美さと洗練されたライディングで多くの人々を魅了するカリーナ。約1時間にわたるトークショーでは、海の中だけでなく、陸の上でも人を惹きつける、彼女のキュートでスタイリッシュな魅力が垣間見える内容となっていた。


「サーフィンをしていて最も幸福な瞬間は、やっぱり波に乗っている時。そして最後までフロウ(FLOW)を味わい続けること。世界各地のコンテストに出場することもあるけれど、勝ち負けだけで判断するのではなく、自分らしく自由に楽しむことが大切。旅先で出会ったコミュニティなど、サーフィンが引き寄せてくれる出会いも大事にしています」
会場にはレディスサーファーだけでなく、JULYのノア・コリンズ、フォトグラファーのトーマス・ロディン、さらに小林直海と平原颯馬が駆けつけ、イベントは予定時間を1時間以上オーバーするほどの盛況ぶりで幕を閉じた。

all photos_Thomas Lodin


JULY WETSUITS
カリフォルニアでデザインされ、鎌倉を拠点とする老舗ブランド「RASH WETSUITS」のファクトリーで、熟練スタッフによって一着一着丁寧に製作される高品質なウェットスーツブランド。世界最先端かつ最高品質の素材を採用し、植物由来の糸から作られたマテリアルを使用するなど、サステナブルな取り組みにも積極的に取り組んでいる。日本のみならず、世界中のサーファーから注目を集めている。クリエイティブディレクターには、ロサンゼルスを拠点に活動するDane Petersonを起用。日本の高い技術力と、Daneによる圧倒的かつユニークなクリエイティブを掛け合わせ、世界へ向けて発信している。現在は、LAを中心としたコミュニティメンバーによって構成されており、日本からは小林直海、平原颯馬、松本浬空がメンバーとして参加している。今後も、サーフィンを愛するすべての人々とともに、オーガニックで新しいコミュニティを築いていく。


Karina Rozunko
カリフォルニアを代表するロングボーダー。クラシックとモダンが融合した独自のスタイルで、世界中のサーファーから支持を集めている。サーフィンだけでなく、音楽・ファッション・アートなど、ライフスタイルそのものを表現する存在としても注目されており、現代のガールズロングボードシーンを象徴するサーファーのひとり。自然体で美しいライディングと、自由な感性から生まれるスタイルは、世代や国境を越えて多くの人々を魅了している。


間瀬 侑良夏
神奈川県出身の若手ロングボーダー。シングルフィンを軸にしたスタイル系ロングボードで注目を集めており、14歳でシングルフィンの大会「THE ONE」に出場したことをきっかけに、本格的にロングボードへ傾倒。2024年には、フランス・ビアリッツで開催された女性限定イベント「Queen Classic Surf Fest」に、日本から唯一の招待選手として参加。イベントでは、カリーナ・ロズンコやローラ・ミニョンら世界的スタイルロガーと同じヒートで戦い、大きな話題となった。

Filed Under: NEWS 関連タグ:JULY WETSUITS, イベント, カリーナ・ロズンコ, 間瀬侑良夏

【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/34_ベラ・オダウド

2026.5.20. by 林芳史

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Bella O'Dowd ベラ・オダウド
オーストラリア・ビクトリア州出身。沖縄・座間見の海や自然、人との繋がりからインスピレーションを受け、アートブランド「Zamimi」を設立。波や貝殻、太陽などをモチーフにした水彩アートを通して、色や優しさ、感情を届ける作品を制作している。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちは、オーストラリア・ビクトリア州南西部の小さな街。グレートオーシャンロードから車で45〜50分ほどの場所で、有名なベルズビーチも近く、自然豊かで本当に美しいところ。実家は小さなファームで、子どもの頃はずっと外で遊んでいて、ヤギやアヒル、羊など、たくさんの動物たちに囲まれて育った。小さい頃から動物や自然が大好きで、とてもクリエイティブな子どもだったと思う。今もその場所で暮らしていて、両親と姉のRubyと一緒に暮らしている。
アートは小さい頃から生活の一部だった。昔のアルバムを見返すと、家族でフォークフェスティバルや音楽イベントに行った時に、顔にフェイスペイントをしていたり、家の壁に絵を描いていたりする写真がたくさんあって、昔からずっとアートが大好きだった。

自身のブランド「Zamimi」を始めたきっかけ

2025年の夏に、姉と日本へ旅行したことがきっかけで始めた。以前にも日本へ来たことがあって、その時から日本の美しさや人の優しさに惹かれていた。今回は沖縄や離島の座間味島に長く滞在して、毎日シュノーケリングをしながら海亀と泳いだり、美しい珊瑚や海の色を見たり、本当に特別な時間を過ごした。座間見の海の色は、今まで見たことがないくらい綺麗で、すごく興奮したし、感動したのを今でも鮮明に覚えている。ちょうど22歳の誕生日も座間味で迎えて、最高の旅になった。
旅行から帰ってきたあとも、日本で感じた空気感や人との繋がり、海や自然の美しさがずっと心に残っていて、その感覚を形にしたいと思ったのが“Zamimi”の始まり。波や貝殻、太陽などをモチーフにデザインを描き始めて、少しずつブランドとして形になっていった。Tシャツの背中には “Energy is contagious(エネルギーは伝染する)” という言葉を添えている。たとえスーパーで並んでいる時でも、誰かがその言葉や色を見て、少しでも気持ちが明るくなったり、何かを感じてもらえたら嬉しいなって思って。
今は世界中いろいろな場所へZamimiのTシャツを届けることができて、色や優しさ、繋がりを通して人と繋がれることに、すごく感謝している。

アートが形になるまで

アートのプロセスは、まずスケッチブックにアイデアを書き出すところから始まる。日本で見た景色や、波、貝殻、太陽、星、宇宙のようなものからインスピレーションを受けていて、そういったモチーフをよく使っている。
まず水彩紙に手描きで絵を描き、水彩で色をのせたあと、Photoshopに取り込んで色味や配置を調整していく。姉もクリエイティブな仕事をしているので、お互いにアイデアを出し合ったり、相談しながら進めている。
最後にTシャツへ落とし込んで、サンプルが届く瞬間がすごく楽しい。思っていた色と違うこともあるけれど、それもまた面白い。時間を忘れるくらい没頭できるアート制作は、一番のお気に入りの時間。
座った瞬間にどんどんアイデアが浮かんできて、自然とフロー状態に入れる日もあれば、逆に“作りたい”と思っていても何も出てこない日もある。でも、そういう時は無理に作ろうとはしないで、「今日はそういう日なんだな」って受け入れて、また準備ができた時に自然とアイデアが戻ってくるのを待つようにしている。
写真でも文章でも、アートでも、クリエイティブな仕事をしている人なら共感できると思うけど、何かを無理に作ろうとすると、結局いいものはできない。自分が一番楽しいことをしていて、そこから生まれるアイデアに寄り添っていけば、必ず何かいいものが生まれると思っている。
実際、描いたあとに「なんか違ったな」って思うデザインもたくさんある。今まで何百個も描いてきたけれど、実際に使っているのは8〜10個くらいかもしれない。でも、昔描いたものをあとから見返して、「今なら使えるかも」ってなることもあって、時間が経ってから作品として生きることもある。それが、クリエイティブな仕事をしていて一番好きなことかもしれない。

次に行きたい場所

数えきれないほどあるけれど、一番惹かれているのはコスタリカ。写真で見る海や熱帯の自然が本当に綺麗で、“Zamimi”っぽい空気感を感じる。
日本にもまた行けたらいいなって思っている。まだまだ巡りたい離島がたくさんリストにあるし、人も優しくて、食べ物も最高で、本当に大好きな場所。

海、自然との関係を言葉に表すなら?

自然って、本当に尽きないインスピレーションの源だと思う。同じ花や太陽でも描き方は無限にあるし、海の色や花の色も、見る人によって異なるもの。たまに思うんだけど、自然が作り出す模様、例えば貝殻一つひとつの模様だったり、波が砂浜で割れる時のパターンだったり、自然こそが一番のアーティストだと私は思う。
アートのインスピレーションを受けるのも、行き詰まった時にまず戻る場所も、いつも自然が豊かな場所。多くのことがスクリーンの中で完結する時代だけれど、私は常に自然に返って、子どものような遊び心を忘れずにいたいと思う。

あなたの人生に欠かせない3つのもの

Loco Loveっていうバイロンベイ発祥のチョコレート。毎週買っていて、家にないとたぶんすごく困る(笑)。あとは、アーモンドミルクのカプチーノと、家族、それから2匹のゴールデンレトリーバー。

これから何か新しいことに挑戦したい人へのアドバイス

とにかくやってみること。自分が心から好きなことをやれているなら、それが一番大事だと思う。自分と似た価値観を持った素敵な人たちに囲まれることも、すごく大切。まずは挑戦してみること。自分の好きなことを通して、どんな人と出会えるのか、どんな繋がりが生まれるのか、本当にわからないから。だからこそ面白いし、楽しい。

Ocean People Archive

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

Filed Under: LIFESTYLE 関連タグ:Bella O'Dowd, Ocean People, ビーチライフ, ベラ・オダウド, 連載

『'A'ā 故郷に導かれるカヌーでの航海』フィルム上映&トークイベントが開催

2026.5.7. by 林芳史

太平洋を、自らの手で漕ぎ進む。その行為は単なる移動ではなく、「自分とは何者か」を問い直すための旅でもある。
フィルム『'A'ā 故郷に導かれるカヌーでの航海』は、ハワイ出身のアーティスト、ミスト(クリス宮城)が、親しい二人の仲間とともにカヌーで太平洋を渡り、故郷ハワイを目指す航海を追ったドキュメンタリー。それは、肉体的な限界に挑む過酷なチャレンジであると同時に、海と向き合い、自らのルーツと対話する精神的な旅でもあった。波、風、そして沈黙の中で浮かび上がる、文化とアイデンティティの輪郭。そんな航海を追った本作の上映会が、パタゴニア 大阪・中之島/アウトレットおよびパタゴニア 東京・原宿/アウトレットで開催される。
上映後にはトークセッションも実施。ミストと交流があり、実際に彼のカヌーに乗船した経験を持つパタゴニア・サーフィン・アンバサダー田中宗豊を迎え、対話を通して旅の背景にある想いやプロセスを紐解いていく。
なぜ彼は海へと漕ぎ出したのか。航海の中で見つめたものとは何だったのか。スクリーンの向こう側にある、“旅の本質”を辿る時間になるはずだ。

©Nainoa Langer

©Nainoa Langer

©Nainoa Langer

©Nainoa Langer

クリス宮城(ミスト)
ハワイ出身のアーティスト。絵画、映像、クラフトなど多分野で活動。アロハスピリットを軸に、尽きることのない好奇心と冒険心を原動力に創作を続けている。

©Nainoa Langer

田中宗豊
徳島の豊かな自然環境の中でクラシックサーフィンを追求しながら、家族とともに米や野菜、ハーブを育てる暮らしを実践。自然と共に生きる知恵を、体験プログラムを通じて伝えている。

©Pedro Gomes

【INFORMATION】
参加費:無料 ※事前予約制
<大阪>
日程:5月16日(土)
19:20 開場 / 19:30 開始 / 21:00 終了
会場:パタゴニア 大阪・中之島/アウトレット
問い合わせ:06-6443-6610
<東京>
日程:5月17日(日)
19:20 開場 / 19:30 開始 / 21:00 終了
会場:パタゴニア 東京・原宿/アウトレット
問い合わせ:03-3408-1888

イベント詳細・予約はこちらから


TOP写真:©Nainoa Langer

Filed Under: NEWS 関連タグ:'A'ā 故郷に導かれるカヌーでの航海, イベント, クリス宮城, パタゴニア, 田中宗豊

【連載:Ride of a Lifetime】カナダからカリフォルニアまで、ヴァンで旅するサーファーの旅の記録_Episode 18(最終回)/空即是色

2026.4.30. by 林芳史

縁によって現れる一瞬の奇跡

夢中になっていた時間は、気がつくと一瞬で過ぎていた。だが振り返れば、その濃密な時間には、確かに何かが刻まれている。すべてがどこから始まったのかは、もうわからない。ただ、ひとつ確かに言えるのは、僕らがその場所に立っていた、ということだ。バハ・カリフォルニア半島の最南端、ロス・カボス。ここが、僕らの折り返し地点となった。温暖な気候、クリスタルクリアの海、整えられたインフラ。常に人のいない荒野を旅してきた僕らにとって、その人の多さに圧倒されながらも、生活の利便性は無意識に求めていたものだった。
常に動き続けてきた僕らは、この場所にしばらく滞在することに決め、旅の疲れを癒した。波があれば海に入り、日が昇れば起き、日が沈めば眠る。1ヶ月を過ごしたプラヤ・パルミージャ。日々を重ねるうちに、顔なじみも増えていった。お寿司を振る舞ったり、ビーチでメキシコのビールカクテル、ミチェラーダを作ってもらったり。静かに満たされる毎日だった。

リゾートに囲まれるザ・ロックというポイント。11月から1月にかけてが穴場で、人は少なく波はそこそこある

プラヤ・パルミージャ。トイレ、シャワー、出入り口に監視カメラもあって僕らのリゾート地となった

キャンプをしていたビーチで知り合った人たちに寿司を握った

12月でもトランクスでサーフィンできる最高の環境があった

良い波に巡り合う瞬間と同じように、すべての出来事は、偶然ではない。うねり、風、潮、地形、時間。そのすべてが重なったときにだけ現れる一瞬。
人との出会いも、きっと同じだ。
僕らもそれぞれ、自分の軌道を持って動いている。交わること自体が、すでに奇跡だ。その“一瞬”の連続の中で、これだけの人に出会い、波に乗り、「自分」という人格を形づくる一部となっていく。空白だった自分の地図に、色が塗られていった旅。だが、その色さえも、常に移ろい続けるものだ。
ロス・カボスを後にし、イーストケープへ。サーフィン中にクジラの親子に出合い、山の谷間に潜む温泉を堪能し、あらためてバハの自然の雄大さに心を打たれた。12月とは思えない暖かさの中で過ごしていた身体は、北へ進むにつれ、確実に季節の変化を感じていく。南下したときには波がなかった場所に波が立ち、波が割れていた場所はフラットになる。乾燥し、枯草に覆われていた景色も、冬の雨によって緑を取り戻し、鮮やかさを増していた。ついこの間、同じ場所を通ったはずなのに、景色は違う。季節が変わっただけではない。僕たち自身も、変わったのだ。

ナインパームスでサーフィン中、遭遇したクジラの親子。パドルですぐ近くまで接近できた

イーストケープにはそこら中に野生のロバがいる。人間は食べ物をくれると思い近寄ってくる

南に下るときはフラットだったところが、北うねりが反応してロングライドが楽しめた

山奥にあるキャンプ場。沢では泳ぐこともできて神秘的な光景だった

1980年代、有名なレジェンドサーファーたちが開拓したと言われているエリア

美味しい食は人を繋げる。年末に楽しい寿司の会を開き、素晴らしい出会いがあった

南バハで見つけた秘境的温泉。温度も40度くらいでちょうどよく、満点の星空の下で疲れを癒した

とあるポイントで数日間サーフィン三昧の時間を過ごした。何もいらない。ただそこには最高の仲間と波があった

一度経験したものは、元には戻らない。それは特別な旅に限った話ではない。僕らは皆、戻ることのできない時間の中を進んでいる。この世に生を受け、最初の光を見たあの瞬間から。目の前で移ろう世界を経験しながら、移ろう自分自身を感じ続けている。一瞬一瞬が、かけがえのない一生に一度の体験。後戻りのできない、一方通行の旅の途中にいる。山もあれば、谷もある。だが、それを越えた自分は、もう以前とは違う。同じ場所に立っても、見える景色は変わる。戻ることはない。だからこそ、前に進むしかない。

本当に、多くの人に支えられてきた。なにより、隣で支え合ってきた妻のあゆみ。人は一人では生きていけない。幼いころ、母によく言われた言葉だ。皆の助けがなければ、この旅をここまで続けることはできなかった。そして同時に、自分もまた、誰かに影響を与えている。互いに共鳴し合うことで、つながっていく縁。限られた人生の中で、同じ時間を共有してくれたことに、ただ、感謝したい。

「Ride of a Lifetime」
すでにあなたは、その波に乗っている。移ろいゆく波のラインをどう描く?

古川良太(サーファー/鮨職人)
20代の3年間、カナダ、オーストラリア、インドネシア、中南米の波を求めて旅を重ね、サーフィンに明け暮れる。帰国後は鮨職人として6年間修行し、日本文化と真摯に向き合う日々を送る。現在は妻と共にヴァンライフを送りながら、カナダからアメリカ西海岸をロードトリップ中。旅の様子はYouTube「アーシングジャーナル」で定期的に公開。
Instagram / YouTube

Ride of a Lifetime Arcive

Filed Under: LIFESTYLE 関連タグ:Ride of a Lifetime, ヴァンライフ, サーフトリップ, 古川良太, 連載

【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/33_シリグルデヴ・カルサ

2026.4.27. by 林芳史

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Sirigurudev Khalsa シリグルデヴ・カルサ
ロサンゼルス出身の水中フォトグラファー。WSLやプロサーファーの撮影を経て、現在は日本を拠点に、世界各地で培った感性と経験をもとに、水中から波とサーファーの一瞬を捉えている。

あなたのことについて教えて

ロサンゼルスで生まれて11歳まで過ごし、その後はインドの全寮制学校で6年間、17歳頃まで過ごした。アメリカに戻ってからはロサンゼルスのサンタモニカカレッジに通いながら、写真やアートを学んだ。
アメリカに戻ったタイミングでサーフィンを始めて、すっかりとりこに。生活のすべてを持っていかれるような感覚で、完全にのめり込んでいたと思う。その頃からカリフォルニア・トーランスのサーフボード工場で見習いとして働き始めて、サーフボード製造の技術や3Dデザインを身につけた。
本格的にサーフフォトグラフィに取り組み始めたのは22歳の頃からで、マリブで継続的に撮影を始めてから、1ヶ月ほどでプロサーファーから仕事をもらえるようになった。
2021年の10月には、チャレンジャーシリーズの大会を追いかけてポルトガルとフランスへ。ロサンゼルスでプロサーファーを2人しか知らなかったところから、気づけばチャンピオンシップツアーやチャレンジャーシリーズに出ているほとんどの選手と知り合いになっていた。そこから一気に軌道に乗った感覚がある。それからは毎年バリにも通っていて、4年間ほどは毎年3〜4ヶ月、インドネシアで過ごしていた。

日本に移住したきっかけ

自分でもかなり予想外の流れで、これまでの人生の中でも大きな決断だった。もともと日本にはずっと興味があって、5歳の頃から家族ぐるみで仲のいい友達に「日本においでよ」と誘われていた。ただ、その人と一緒に来る機会はなかった。
その後、その友達が日本に戻ることになって、「東京は本当に楽しいから絶対来たほうがいい」と半年ほど誘われ続けていた。ちょうどその頃、バリへの渡航を何度も計画していたけど、撮影のタイミングと重なって毎回直前でキャンセルになり、フライトも4回すべて取り直すことになった。さすがに「今年はバリに行くべきじゃないのかもしれない」と感じて、正直かなり落ち込んだ。ただ、時間ができたこともあって、今まで行ったことのない場所に行こうと思い、軽い気持ちで日本への旅行を計画した。
2024年9月に来日して、本来は2週間の予定だったが、気づけば東京に2ヶ月滞在。その後一度離れたものの、12月末に再び戻り、そのまま日本で年越しを迎えた。そして2025年2月に今の妻と出会い、「もうここを離れることはない」と自然に思えた。それ以来、日本での生活が続いている。
バリへの旅が何度もキャンセルになったことも含めて、すべてが自然と日本へ導かれていたように感じている。自分の計画とは違う形だったけど、結果的にはこれ以上ない形で収まった。今振り返るとそんな風に思える。
日本でも水中撮影は続けていて、千葉や湘南、伊豆など、さまざまな場所を回りながら撮影している。日本はスウェルがそこまで安定しているわけではないので、「ここが良くなったらあっちへ」というように、自分の中でいくつも候補地を持って、波の状況を見ながら動いている。本当にいい波が撮れるタイミングを待ち続けている感覚。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

海との関係はとても深くて、世界全体が静かになるような感覚がある。何かに悩んでいたり、考えないといけないことがあるときは、自然と海に入りたくなるし、その状態に身を置くのが好き。
サーフィンをしているときは完全に一点に集中していて、「今サーフィンしている自分」だけになる。特にサイズのある波のときはなおさらで、例えばウルワツのような場所でサイズがあると、本当に危険な場面もある。しっかり集中していないと、「あと1秒遅かったら10フィートのセットにやられていた」ということもある。だからこそ、やっていることに意識が完全に向いて、他のことは一切考えられなくなる。むしろ、考える余裕がなくなる状態になる。それが自分にとっては心地いい。

これまで撮影してきた中で一番好きな場所と、次に行きたい場所

お気に入りのスポットは間違いなくタヒチ。水の透明度、完璧な波、海の中の雰囲気、そのすべてが揃っている場所は他にないと思う。これまで一緒に撮影してきたサーファーたちも、プロもローカルも含めて本当にスピリットが素晴らしく、優しい人ばかり。その人柄がビッグウェーブに挑むサーフィンにも表れている。いつも滞在させてもらっている家族がいて、何度も通ううちに、今では“3つ目の家”のような場所になった。またすぐに行きたくなる場所だ。
それから食べ物も外せない。タヒチの食事が大好きで、フランス領ということもあってフレンチ、特にシーフードが素晴らしい。すべて含めて100点満点で、自分にとっては世界で一番好きな場所。
次に行ってみたい場所はいくつかあって、具体的に計画しているのは新島と小笠原。小笠原は東京から真南の位置にあって、船で丸一日かかると聞いている。行くなら最低1週間は滞在する必要があり、写真や動画で見る限り水も透き通っていて、波もかなり良さそう。沖縄と同じくらいの緯度なので、冬でも水温は17〜18度、場合によっては20度近くあるかもしれない。ローカルの人たちがサーフスポットをとても大切にしているので、外に情報があまり出ていない可能性がある。カメラを持って行っても「ここは撮影しないで」と言われるかもしれないが、それでも行ってみたい場所だ。

今後の目標

少なくとも日常会話ができるくらいには、日本語を話せるようになりたいと思っている。今も勉強しているが、とっても難しい(笑)。毎日使って、英語が通じない環境に身を置くことで、少しずつ身についてきている感覚がある。この調子で続けていきたいと思う。

あなたの人生に欠かせない3つのもの

1つ目は間違いなく海。サーフボードがなくても生きてはいけると思うけど、かなり落ち込むと思う。でも海に入れるなら、ボディサーフィンでも十分だ。2つ目はカメラとノート。瞬間を記録することもそうだけど、絵を描いたり、落書きをしたり、文章を書くことが好きなのでノートは欠かせない。3つ目は、最近ハマっているギターかな。

東京での展示会

4月29日から6月14日まで、東京・三軒茶屋の「Space Orbit」で、展示会を行う予定。メインとなる写真を10点展示する予定で、今はそのためのフレームを自分で制作しているところ。この6年間で撮影してきた海やサーフィンの写真の中から、ベストを集めた内容になっている。
これまで15カ国ほどで撮影してきて何万枚という写真があるが、なかなか展示することができなかった。そんな中、妻が背中を押してくれて「いい会場を知っているから、オーナーに話してみたら」と紹介してくれた。実際に話してみるとタイミングもよく、スムーズに決まった。オーナーはサーファーですぐに意気投合! 最初に会場を見に行ったとき、入口に大きなロングボードが置いてあって、「これは絶対うまくいく」と感じたのを覚えている。

これから何か新しいことに挑戦したい人へのアドバイス

好奇心を持ってたくさん質問すること、そして謙虚でいることが大事だと思う。どんな会話も笑顔で始めれば、大抵のことは教えてもらえる。これまでいくつかの国に住んできて、世界中で素晴らしい人たちに出会ってきたが、ほとんどの人は優しくて親切だ。
「どんな人でも必ず何か面白いことを持っているし、誰もが自分の知らないことを知っている」という意識で接すると、新しい出会いやコネクションにつながる。だからこそ、相手に興味を持って向き合うことが大切だと思う。

Ocean People Archive

text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

Filed Under: LIFESTYLE 関連タグ:Ocean People, Sirigurudev Khalsa, シリグルデヴ・カルサ, ビーチライフ, 連載

サーフィンとスケートの原点が交差! QUIKSILVER × DOGTOWNのカプセルコレクションが発売

2026.4.24. by 林芳史

QUIKSILVERとDOGTOWNによるカプセルコレクションが、2026年4月24日にリリースされた。
1970年代、カリフォルニア・ベニスビーチ。サーフィンのスタイルをストリートへ持ち込み、現代スケートボードの礎を築いたZ-BOYS。その中心にあったのがDOGTOWNだ。一方、同時代にオーストラリアで誕生したQUIKSILVERは、革新的なボードショーツを生み出し、サーフィンを単なるスポーツからライフスタイルへと昇華させた存在。今回のコラボレーションは、両者が歩んできたカルチャーの歴史そのものを現代に接続する試みと言える。

コレクションの象徴となるのは、DOGTOWNのクロスロゴとQUIKSILVERのマウンテン&ウェーブを融合させたスペシャルロゴ。'70〜'80年代のアーカイブを想起させるカラーリングやグラフィック、ピグメント加工によるヴィンテージ感のある仕上がりが特徴。また、軽量かつ速乾性に優れた素材を採用することで、現代のライフスタイルにもフィットする機能性を装備。過去の空気感と現在のテクノロジーがバランスよく共存するコレクションに仕上がっている。

ラインナップは、Tシャツやショートパンツ、キャップ、ソックス、バンダナといった、ビーチとストリートを横断するアイテムで構成。いずれもシーンを限定せず、日常の延長線上で自然に取り入れられるプロダクトだ。

SURFとSKATEは、本来ひとつのカルチャーとして地続きに存在していた。その関係性を再定義するかのような今回のコレクションは、単なるコラボレーションにとどまらず、スタイルの原点を静かに示している。

【INFORMATION】
発売日:2026年4月24日(金)
QUIKSILVER公式オンラインストア
および全国のQUIKSILVER STORE、BOARDRIDERS STOREで発売

Filed Under: NEWS 関連タグ:DOGTOWN, QUIKSLVER

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