#連載

  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/06_エゼキール・ザカーディ
  • 2024.09.30

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Ezequiel Zaccardi エゼキール・ザカーディ
アルゼンチン出身の水中フォトグラファー。カメラを片手に世界中を旅しながら、現在はバリとメンタワイを行き来しながら生活している。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはアルゼンチで、海から離れたコルドバという場所で育った。15歳の頃からブラジルに通い始め、1ヶ月ほど滞在しながらサーフィンをしていた。本格的にサーフィンにのめり込んだのは、オーストラリアに引っ越してから。それと同時に水中でライディング撮影も始め、それを仕事にしたいという思いが強くなった。

幼い頃から写真を撮るのが好きだったからカメラの基本的な知識は頭に入っていたし、当時住んでいたバイロンベイにはクリエイティブなコミュニティがあって、実際に学ぶ機会もあった。また、レジェンドシェイパーのボブ・マクタビッシュと働いたり、多くのサーファーとコネクションを築き、経験も積むことが出来た。その後数カ国旅した後、バリに住むことに決めた。世界中からサーファーが集まるこの場所は、チャンスが無限大にある。長年の夢だったメンタワイで撮影したり、リップカールが冠のパダンパダンカップを撮影するなど、自分のキャリアを成長させる最高の場所。

お気に入りのサーフスポットは?

メンタワイ! これまで世界中色んな場所に行ったけど、メンタワイほど完璧にそしてコンスタントに波がある場所は他にはない。景色も手つかずの自然もすべてが夢のような場所。

次に行きたいのはフィジーとハワイ。波もロケーションも良い話をたくさん聞いているから、近いうちに絶対行ってみたい。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

海に入っていると、自分はその一部になっている。昨年、4ヶ月間毎日海で撮影していた時期があって、海への感謝やリスペクトはもちろんのこと、自分を謙虚にさせてくれた。海のことを理解していないと大怪我をすることもあるけど、良い波や良いショットのためにリスクを負うことも必要。仕事をする場所でもあり、子供の頃に感じた純粋な“好き”や”喜び”を、大人になっても感じさせてくれる場所。

今後の夢や目標は?

インドネシアでサーフフィルムを作りたいと思っている。プロサーファーの映像は世の中にたくさんあるけど、私はサーフィンのルーツや本質をフィーチャーしたいと思っている。波をシェアし、目の前に来た波を心の底から楽しむ。クールでスタイリッシュなサーファーと一緒に波を追いかけながら、そのときに去来する感情や高揚感を、美しい映像と共に伝えたい。

あなたの人生に欠かせない3つのものは

仕事道具でもあり遊び道具にもなるカメラ、そして海と人々への愛。

何か新しいことを始めたいと思っている人にアドバイスを

今の時代、やりたいと思ったことは行動すれば何でもできる。お金のためではなく、情熱をもってやれば必ず結果はついてくる。行き詰まったときは、少し環境を変えてみれば新しいエネルギーが入ってくる。世界は広いようで意外と狭いもの。常にオープンなマインドでいれば、宇宙が繋がりたい人と出会わせてくれると信じている。


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/05_アナ・モーグリ
  • 2024.09.13

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Anna Mowgli アナ・モーグリ
フィリピン出身、現在はバリ島とジャワ島東部の2拠点で生活しながら、フォトグラファーとして活動する傍ら自身のブランド「Tiny Wave Surf Club」をパートナーと運営している。

あなたのことについて教えて

生まれはフィリピン、育ちはカナダ。大学を卒業した2008年に初めてインドネシアを訪れて、それ以来ずっとここに住んでいる。バリは数年前と比べて海も街も忙しくなったけど、友達がたくさんいるからお気に入りの場所。今は手付かずの自然と波が豊富なジャワ島東部のバトゥカラスと行き来しながら生活している。

仕事はフォトグラファーをメインにしながら「Tiny Wave Surf Club」というブランドも運営している。ブランドを始めたきっかけは特にないんだけど、最初はただ趣味程度にやっていた。パートナーがアーティストということもあって、彼のアートをTシャツにプリントしたり、ロゴを作ってみたり。特にビジネスにすることは考えず、洋服を友達や身内に販売してたの。するとみんなからの反応が思った以上に良かったから、インスタグラムのアカウントを作り、ブランドとしてローンチすることに決めたの。

Tiny Wave Surf Clubという名前に込められた意味は?

コンセプトは​​太陽の光が降り注ぐ海岸と、穏やかな海のさざ波が出合う場所。一般的なサーフクラブではなく、サーフィンの本質を再定義するために集まった、サーファーたちのコミュニティ。ここでは、誰が一番大きな波に乗るか、誰が一番クリティカルなマニューバーを描くかということは気にせず、なぜ海が好きになったのかを思い出させてくれるような、小さくてファンな波に乗る喜びを、心の底から味わうことが大切。

ソフトボードで練習する初心者も、ビッグウェーブに挑むサーファーやプロと同じように、ラインナップの中では誰もが自分の居場所を見つけることができる。そんな多様性を大切にし、順位や点数を気にせずサーフィンを純粋に楽しむことができる場所を作りたいと思った。

サーフィンを始めたきっかけとお気に入りの場所は?

バリに移住する前にハワイやコスタリカで何度かトライしてみたけど、本格的に始めたのは2008年にバリに来てから。最初はチャングーのバトゥボロンやオールドマンズでロングボードを始めて、それから色んな場所にサーフトリップに行くようになった。スリランカやオフシーズンのメンタワイは私にピッタリの波で、お気に入りの場所。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

私の人生はサーフィンを中心に回っているから、日常生活も旅行に行くのも、一番にサーフィンのことを考えている。パートナーと出会ったのも海の中だし、海にいると様々なアイデアが浮かんでくる。ビーチで過ごす時間は私にとって欠かせない時間、海から上がったあとのリフレッシュしたマインドや感覚は特別で、他に変えられるものはない。

これからの目標は?

ブランドは今まで通りシンプルに、クオリティを維持していけるよう努めていきたい。それと同時に、商品が実際手に取れるお店も作りたいと思っている。個人的な目標は、行ったことがない新しい場所にサーフトリップに行くこと。インドネシアには数えきれないほどのサーフスポットがかるから、ここに住んでいる間にもっと多くの島を訪れて誰もいないラインナップを探すのが夢。それから、来年はニュージーランドにも行ってみたいな。

あなたの生活に欠かせないものを3つ挙げるとしたら

私は食べることが大好きなので、まずは美味しい食事。それと何か新しいことを学ぶこと。スキルでも知識でも何か新しいことを日常的に取り入れることが大切だと、ここ最近気づいたの。あとは旅行かな。


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/04_サラ・ディヤン
  • 2024.08.30

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Sarah Deyoung サラ・ディヤン
ハワイ・マウイ島在住のグラフィックデザイナー。トロピカルなライフスタイルやサーフカルチャーにインスパイアされたファインアート、ロゴ、デザイン、パターンなどをの制作活動をしている。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはアメリカのミシガン州。五大湖のひとつミシガン湖が有名な場所で、住んでいた頃はよくウェイクサーフィンをしていた。幼い頃から自然のなかで過ごすのが当たり前で、それが今では自分の軸になっている。3年前にハワイ・マウイ島に引っ越し、グラフィクデザイナーとして様々なブランドのロゴやデザイン制作を行なっている。

家の近くに、冬になると15フィート以上の波が立つHo'okipa(ホオキパ)というポイントがあるんだけど、そこでロングボードをするのが好き。もう一つ、Thousand Peaksというポイントもお気に入りで、ここは文字通り複数のピークがあり、レフトとライトどちらもブレイクする初心者でも楽しめる場所。

ハワイへ引っ越した理由は?

以前やっていた仕事がひと段落したタイミングで一度長い休憩を取ろうと思い、4年前にずっと行きたかったハワイ行きを決めたの。初めてのハワイ、スローなライフスタイルとサーフカルチャー、美しい自然に魅了され、最初は1ヶ月の予定だったけど最終的には1年間滞在して(!)、ここに落ち着くことになった。仕事やアート制作のインスピレーションも多く受けていて、ハワイへ引っ越して本当に良かったと思っている。

普段の日常は、朝起きて近所を散歩しながらノースショアのお気に入りのコーヒーショップに行くことから始まる。そこに行けば必ず知り合いに会えるし、アットホームな空間がすごく心地いいの。午前中はそこで仕事をして、午後もしくは夕方時間があればサーフィンに行く。それから友達と会ったり、サンセットを見に行ったりして過ごしている。

アートを始めたきっかけは? インスピレーションはどこから得ることが多い??

大学の授業でアートを専攻していて、小学校で美術を教える学位を取ったの。数ヶ月美術の教師をしていたけど、この仕事が自分のパッションじゃないことに気づいたの。そして2020年、iPadでデジタルアートを描き始めたの。当初は今のスタイルとは全く違っていて、明るい色を使ったりポートレートを中心に描いていた。ハワイに住み始めてから現在の落ち着いた色味や海、サーフカルチャーを描くように。それをインスタグラムで発信していくうちにコネクションが増えていき、色んな企業やクリエイターからロゴやデザインを作って欲しいとオーダーがくるようになったの。これがグラフィックデザイナーになったきっかけ。

海のそばで暮らしていることが一番のインスピレーション。サーフィンしているときもビーチでチルしているときもありのままの自分で、すべてがアートに直結している。

海、自然との関係を言葉で表すなら?

海で過ごす時間は自分自身に戻れる時間でもある。癒し、平穏、活力のすべてを与えてくれる。仕事で行き詰まったり、クリエイティビティにブロックがあるとまず行くのは海。サーフィンから帰ってきた後はたくさんのアイデアで頭がいっぱいになるから、最近はノートとペンを持って行き忘れないようにメモしている。いま地元のミシガンに2週間帰ってきているんだけど、ハワイに戻って海に行くのが待ち遠しいわ!

次に行きたいサーフトリップ先はどこ?

最近ニカラグアのサーフトリップから帰ってきたところなんだけど、すぐに戻りたくなるほど好きになった。あとはインドネシアのロンボク島。ニカラグアで出会った多くのサーファーにロンボクをオススメされたから、今年か来年には行きたいと思っている。あと、オーストラリアへ行くのが今の夢。

何か新しいことを始めたい人へのアドバイス

「Do it before you are ready!」 すべてが揃うまで、準備が出来るまで待たずに始めてしまうこと。完璧なタイミングなんてきっとないし、思い切って始めることが一番だと思う。そうすることでこれまで以上に自分のやっていることに注力できるようになるし、一生懸命やらざるを得なくなる。

自分のパッションや好きなことを追いかけていると、宇宙が必ず味方になってくれる気がするの。そしてやりたいこと、叶えたいことをどんどん口に出したり、発信していくことも大切だと思う。何かがきっかけで友達がチャンスをくれたり、SNSを通じて仕事に繋がることもあるから。


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/03_デイビッド・ボウワーマン
  • 2024.08.15

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
David Bowerman デイビッド・ボウワーマン
オーストラリア出身のサーファー、フィルムカメラブランド「Surfolk」のオーナー。現在はニューキャッスルをベースに、パートナーと会社を経営している。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはオーストラリアのシドニー近辺。数年前にニューキャッスルに引っ越して、今はここを拠点にしている。ニューキャッスルは海沿いの落ち着いた街で、スウェルが入ればショートボード向きの最高に楽しい波が立ち、多くのプロサーファーを輩出しているサーフタウン。

観光客で溢れることもなく、住んでいる多くの人はアクティブで自然と調和しながら過ごしている。現在はフリーランスでマーケティングの仕事をしながら、フィルムカメラブランド「Surfolk」をパートナーのJazzと一緒に経営している。

フィルムカメラブランド「Surfolk」を始めたきっかけは

Surfolkを始めたのは2021年の終わり頃。元々フィルム写真が好きだったこともあって、祖父が愛用していた'60年代の古いフィルムカメラを引っ張り出して撮影をしていた。

パンデミックで国境が閉ざされ、思うように旅行ができなかった時期、フィルムカメラで撮影することにハマって。それと同時にフィルム写真が好きな人はどこか個性的で、人とは違ったライフスタイルを送っていたり、社会の既成概念に囚われず時代の流れに逆行する生き方をするクールな人が多いことに気づいた。

そこからアイデアが浮かび、ブランド作りを始めた。私たちが最も愛するもの「海、サーフィン、コミュニティ、地球」を表現していこうと。多くのものがデジタル化し、今ではiPhoneでプロ並みの写真が撮れるけど、フィルム写真は何とも言えない質感と味があって。その写真を通して、人と人が繋がることがまさに私たちが求めていたものだった。今はアパレルも販売していて、少しづつブランドが知られるようになってきた。

ブランドの今後の夢や目標は?

実はSurfolkを日本で展開したいと思っている。フィルムカメラの最大手である富士フィルムが日本製なこともあって、多くのインスピレーションを得ている。また、日本のサブカルチャーやサーフブランドとのコラボレーションも仕掛けていきたい。それにはもっとブランドの認知を上げて、多くの人にフィルムカメラの良さを知ってもらえる努力が必要。

お気に入りのサーフスポットと次に行きたい場所は?

お気に入りのスポットは、サーフィンを覚えたシドニー付近のフレンチマンビーチ。特に波がいい訳でもないけど、子供のときに初めてサーフィンをした思い出深い場所。あとはインドネシア、ヌサ・レンボンガン島のシップレック。コンスタントに波があるライトハンドのポイントで、インサイドに座礁した船があってなんだか迫力があるんだ。

次に行きたい場所は、フィリピンのシャルガオ島。友達から良い評判を聞いているし、今年中に行けたらいいなと思っている。

海、サーフィンとの関係を言葉で表すなら?

日常のことを全て忘れて“今”にフォーカスできる場所。海に入っているときに考えているのは、次の波、どうしたらもっといいライディングができるか。歴史ある場所を観光したり、都会で過ごすことも好きだけど、誰もいない波を求めて秘境へサーフトリップに行く方が断然好き。ローカルとの会話も楽しいし、そこから繋がるコネクションもサーフィン(サーフトリップ)ならでは。

あなたの生活に欠かせない3つのものを挙げるとすると?

1つ目はコーヒー。多分必要以上に飲んでいるけど、コーヒーなしじゃ1日を過ごせない。2つ目は太陽を浴びること。旅先でも住む場所を決めるときも、太陽の光をたっぷり浴びれる場所じゃないと心が惹かれない。3つ目は何か思い出を残せるもの。デジタルでもアナログでも、その瞬間の感情や楽しい時間を残すことはとても大切。あと、もちろんサーフィンも欠かせないね!


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/02_マノン・エルネ
  • 2024.07.19

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Manon Erne -マノン・エルネ-
オランダ出身、28歳。サステイナブルな素材を使ったスイムウエアブランド「SunDaze」のオーナー。サーフィンに最適な水着を求めて、世界各地のサーフスポットを旅している。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはオランダ。2022年に初めてバリを訪れてから、この場所がとっても気に入っている。スイムウエアはバリで作っているから毎年ここには来てるけど、まだまだ世界中で行きたいところ、したいことがたくさんあるから、1つの場所に落ち着く予定はない。

今はバックパッカーとして旅をしながら、色んなインスピレーションを得ている。つい最近日本にも行ったし、今週末はアムステルダムでポップアップをする予定で毎日忙しくしてるわ。

スイムウエアブランド「SunDaze」を始めたきっかけは?

初めてサーフィンをしたのは南アフリカのケープタウンで、毎日本格的にするようになったのはバリに来てから。一人でサーフィンに行くようになったとき、男性のボードショーツにはバイクの鍵を付けるポケットがあるけど女性用のビキニやスイムスーツにはそれがないことがとても不便に感じた。それに加えて、可愛くてスタイリッシュなのはもちろんのこと、機能性が高いスイムウエアを見つけるのが難しくて、それなら自分で作ってしまおうと思ったのが、SunDazeを始めたきっかけ。

その年にインドネシアのメンタワイにサーフトリップに行って、Co-Founderのレベッカに出会った。私たち2人には同じようなアイデアがあって、サーフトリップから帰ってきた数ヶ月後にはデザインを考えたり、サンプルを作ったりアイデアがどんどん形になっていった。

製作の過程でマニュファクチャーとの連携が上手くいかずお金を失ったり、自分たちが求めているビジョンを反映してくれる工場に出合うまで苦労したけど、今はアイデアを完璧に形にしてくれる人々に出会えてとても上手くいっているわ。

最近日本を訪れたマノン、旅のハイライトは?

何から始めていいかわからないほど最高の旅だった! 今まで訪れた国とは全てが違っていて、毎日驚くことばかり。いい意味でカルチャーショックの日々だった。メッセージで少しやりとりをしていた友達が湘南・茅ヶ崎で「Bailando Surf」というお店をやっていて、彼女に会いに東京から電車で茅ヶ崎にも行った。そこでSunDazeを取り扱ってくれることになったおかげで、日本でも試着して購入できるようになったの。大好きな国で自分のブランドを広めることができて嬉しくて、とても感謝している。次は桜のシーズンに来たいたいと思ってる!

お気に入りのサーフスポットは?

インドネシアのロンボク島とフィリピンのシャルガオが一番のお気に入り。ロングボードに最適な波と、シンプルなアイランドライフが私にピッタリ合っている。

海、自然、サーフィンとの関係を言葉で表すなら?

毎日やることがたくさんあって忙しい日々を送っているけど、海に入ると一瞬で不安も、頭の中で考えていたことも、ストレスもなくなる。海で過ごすことは私にとって欠かせない時間。サーフィンを上達したい気持ちももちろんあるけど、ただ波に乗るだけじゃなく、海から見える景色だったり、一緒に入る友達との時間だったり、サーフィンが与えてくれる素敵な贈り物を楽しむように心がけている。

最後に、何か新しいことに挑戦したい人へのメッセージと今後の夢を教えて

とにかくやってみること! 始めてみないとわからないことはいっぱいあるし、もし失敗してもそこから学べば失敗にはならない。人一倍努力して時間をかける覚悟さえあれば、良い結果は必ずついてくると思う。

これからの目標は、もっとコミュニティ活動を積極的にすること。SunDazeに興味を持ってくれる女の子たちってみんな似たような趣味やマインドを持っているから、それを活用してリトリートやグループ・サーフィンを行い、もっとみんなが繋がれる場所を作っていきたい。あとは世界各地で毎年ポップアップも開いていきたいと思っている。


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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  • 【特集:Ocean People】海から始まるストーリー/01_クロエ・ホールデン
  • 2024.07.05

海と繋がり、自分の中の好きや小さなときめき、そしていい波を追い求めてクリエイティブに生きる世界中の人々、“Ocean People”を紹介する連載企画。彼らの人生を変えた1本の波、旅先での偶然な出会い、ライフストーリーをお届けします。

Profile
Chloe Holden -クロエ・ホールデン-
イギリス出身のサーファー、クリエイター。現在23歳。世界各地のサーフスポットを旅した後、現在はオーストラリアのヌーサでパートナーとバンで生活しながらスローライフを送っている。

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはイギリス、21歳のときに旅に出てポルトガル、インドネシア、フィリピンなど主にサーフィンができる場所を点々としていた。1年前にオーストラリア・サンシャインコーストのヌーサに引っ越して、今はここでサーフィンやボーディボード、カヤックなどのアウトドア・アクティビティを学校で教えている。イギリスに行ったことがある人は分かると思うけど、1年の大半が曇り空で太陽を浴びる時間が少ない場所。イギリスにいたときより今は幸せで、いつでも海に行けるこの生活が気に入っている。
サーフィンを始めたのは18歳のとき。夏に数時間かけてコンウォールの海に行ってたんだけど、できる回数は少なかった。ヌーサに引っ越してきて、少しずつサーフィンが上達しているのを感じている。ヌーサはロングボードにピッタリなメロー&ロングライドできる波で、ローカルはみんなフレンドリー。海に入れば顔見知りや友達がいて、みんな純粋にサーフィンを楽しんでいる。

これまで訪れた中でお気に入りのサーフスポットは?

フィリピンのシャルガオ島。見渡す限りココナッツの木がビーチから見えて、ローカルもとても親切。人、文化、食、すべてが最高で、シャルガオには恋をしたわ! いつか必ず戻って、数ヶ月は滞在したい。

現在ヴァンライフを送っているクロエ。始めたっきかけや苦労したことは?

彼とヨーロッパを旅しているときにヴァンライフを始めたの。多くのものを所有しないミニマムな生活、行きたいときにどこへでも行ける気軽さ、海の目の前で朝を迎えられるのが私たちにピッタリだった。苦労したことはあまりないけど、強いて挙げるなら雨の日、広くはないヴァンの中で1日中過ごすことかな。外にいることが大好きな私たちにとって、少し苦痛になることもある。
ここ数ヶ月、パートナーと一緒にセーリングに興味を持ち始めていて。まだまだ先のことになると思うけど、夢はインドネシアを自分たちの船で周りながら生活し、誰もいないラインナップでサーフィンすること。

海、自然、サーフィンとの関係を言葉で表すなら?

海、自然の中で過ごす時間は何にも変えられないもの。考え事をしてモヤモヤしていたり、気分が乗らないときでも海に入れば一瞬でなくなる。何のことで悩んでいたのか忘れてしまうほど、メディテーションみたいな役割を果たしてくれている。サーフィンをしているときが一番自分らしくいられる。自然と口角が上がって、子供の頃に戻ったみたいに無邪気に笑っている自分がいるの。

最後に、何か新しいことに挑戦したい人へのメッセージと今後の夢を教えて

もし自分がやりたいことが見つかったら、周りの意見や頭の中のノイズはカットして、心がワクワクすること、自分の直感に従うことかな。あとは常にポジティブなマインドセットでいること。すぐに結果として現れなくても、強く望んでいれば必ず何らかの形で自分に戻ってくるから。私もまだまだ挑戦したいことがたくさんあるから、これからも旅を続けて、自分のコンフォートゾーンを抜け出すような経験を積んで行きたいと思っている!


text:Miki Takatori
20代前半でサーフィンに出合い、オーストラリアに移住。世界中のサーフタウンを旅し現在はバリをベースに1日の大半を海で過ごしながら翻訳、ライター、クリエイターとして多岐にわたって活動中。Instagram

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