• 舞台はビッグウェーブの聖地、チョープー「松田詩野オリンピックへの挑戦」(前半)
  • 2024.07.01

湘南・茅ヶ崎から羽ばたくオリンピアン、松田詩野(TOKIOインカラミ所属)。リベンジとなる2024パリ五輪、舞台はサーフィン発祥の地であり、ビッグウェーブの聖地でもあるタヒチ・チョープー。オリンピックまで残り1ヶ月。松田が感じていることを2回に渡ってお届けします。

Q.:パリオリンピック日本代表選手に内定したときの気持ちを教えてください。

A.:決まったときは素直に嬉しかったし、ホッとしました。でもすぐに、舞台であるタヒチ・チョープーをイメージして「チューブライディングのスキルを上げないと」と現実的に考えていました。

Q.:アスリートらしい切り替えの早さですね。応援してくれている方々の反応はどうでしたか。

A.:東京オリンピック出場を逃したときの悔しさを知っているだけあって、みなさん、とても喜んでくれました。とくに家族や友人、地元の方々の応援が練習やトレーニングの励みになっていたので、少しだけ恩返しができたのかなと。

Q.:実際にタヒチに渡ってチョープーにもチャージされていましたね。手応えはありましたか。

A.:はい。初のチョープーで、しかも波が大きかったので恐怖はありました。でも、そういう感情を持てたこと自体がいい経験になったと思います。現地のコーチから地形やバレルの種類などローカル・ナレッジもシェアしてもらえたので、五輪を見据えた練習になったと思います。

Q.:インドネシアにも何回か訪れていますよね。

A.:ウルワツやニアスにはパワフルな波が多いので何回も行きました。でも、一番記憶に残っているのはスンバワです。同じクオリティのマシンウェーブがブレイクしているので、やりたい技を何回もできていい練習になりました。

Q.:チョープー用にサーフボードのセッティングも変えていますか。普段は5'6″のボードに乗っているそうですが。

A.:今回の遠征で一番使ったレングスは6'1″で、いつもより長めです。掘れた大波に対応できるように普段乗っているボードより重くして、幅も狭くしてもらいました。ロッカーも少し強めです。フィンセッティングはクアッドがよかったかな。チューブの中でもグン! と加速してくれました。

Q.:では、オリンピックに向けて取り組んでいるトレーニングはありますか。

A.:大波に挑戦することになるので、まずは高強度の有酸素運動で体力をつけています。あと意識しているのは、ケガをしにくい体づくり。以前に肩の亜脱臼を経験したので……。スポンサーである「森永製菓inトレーニングラボ」でメニューを組んでもらっています。

Q.:他にも行っていることはありますか。

最近は初心に戻って、パドルトレーニングにもチャレンジしています。プールにサーフボードを浮かべて、ゴムチューブに引っ張られながら漕いだり……。トレーナーの意見を聞いて、フォームを改善することもあります。

Q.:そんなことまで! たしかに、パドリングを人から教わることってありませんよね。

A.:そうなんです。だからこそ指摘されて初めて分かることもあって新鮮です。おかげで肩が疲れにくくなったので、サーフィンのパフォーマンスにも繋がっていると思います。

photography _ Nachos text _ Ryoma Sato

SALT...#01「ROAD to OLYMPIC」より抜粋
後半へ続く……


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